「4つのキャリア」持つモヒカンの医師の大胆な人生 産婦人科医・高尾美穂さんが教えてくれること
東洋経済オンライン / 2024年11月10日 11時0分
ソフトモヒカンヘアにカラフルなシャツと蝶ネクタイ。アーティストかマジシャンのようなスタイルは、メディア出演時のみならず、診察時も変わらない──。産婦人科医・高尾美穂さん。医師として、1人の発信者として、YouTubeや音声メディアなどで、女性の人生に寄り添った言葉や活動を続け、多くの人の支えになっています。
そんな高尾さんの考える人生100年時代、何度でも開花する生き方とは?
この前編では、高尾さん自身のライフストーリー、年齢を重ねてなおクリエイティブにエネルギッシュに我が道を開き続けている、その生き方に迫ります。コラムニスト・芳麗さんによる新しい時代の人物伝です。
体の不調も根本原因は人生にあり?
――高尾さんが注目を集めるきっかけとなったのは、stand.fmの音声配信やX(旧ツイッター)ですよね。発信を始めようと思われたのは?
2010年頃からブログを書き始めたのが始まりでした。音声配信やYouTubeはその後です。発信したいことが先にあったわけではなく、日々の仕事の延長線上という感覚です。
医師は、日々、目の前の人に伝えることが仕事ですが、そうしてお話ししていることを他の人にも聞いてもらえたらいいなと。きっと似たようなことで悩んでいる方はたくさんいらっしゃいますから。私にとって発信とは、日々の診察からこぼれていったものなんでしょうね。
――日々の業務や実感から、情報発信の必要性を感じたということですか。
必要な情報というのはなかなか伝わらないものだと感じます。たとえば、更年期障害に悩んでいる女性はいまだに多いですが、医学が進化した今、必ずしも深刻に悩むべき病じゃなくなっています。医師の立場から言えば、症状が重い方は、ホルモン治療一択です。だけど、過去のメディアの影響が大きくて、ホルモン治療を敬遠する人は今も多くて……。もったいないです。
――更年期の症状は重くなるまで自覚しづらいのもあるのかなと。
日々忙しく過ごしているとそうなりがちです。でも、自分の不調に気づけなかったり、調子の悪さを打ち消そうとしてしまう人は、知らないうちに症状を悪化させてしまったり、心の不調まで引き起こすことも多々ありますから。そうなる前に自覚して、医療機関に相談していただけたらいいなと思いながら発信しています。
現代人を救うのは、医学的な情報のみならず
――高尾さんの発信は、医学的な情報にとどまらず、マインドの整え方から、キャリアや人間関係など人生面でのアドバイスまで多岐にわたっています。
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