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日曜劇場「海に眠るダイヤ」の舞台"軍艦島"の圧巻 当時、最先端の建造物と生活の痕跡がいまも残る

東洋経済オンライン / 2024年11月10日 12時0分

島内最大のアパート「65号棟」。1945年に地下1階、地上7階建てで完成し、1947年に9階、1958年に一部10階建てに増築された(写真:軍艦島コンシェルジュ&デジタルミュージアムofficial)

ドラマ『海に眠るダイヤモンド』が、TBS日曜劇場枠で10月からスタートしました。

【写真】幻想的すぎる…入島困難な「現在の軍艦島内部」と、ドラマが完全再現していた「かつての人々の様子」

日曜劇場では初主演となる神木隆之介さんが、現代(東京で暮らすホスト・玲央役)と、過去(端島に暮らす炭鉱勤労課の外勤・鉄平役)の一人二役を演じることでも話題となっています。

現代パートと過去パートが見事に絡み合い、謎が少しずつ解き明かされていく物語展開に引き込まれている人も多いでしょう。

そして同作の大きな見どころが、ストーリーの舞台となっている、長崎県の端島(通称:軍艦島)。すでに放送されたドラマ第1話、第2話では、現在の端島に加えて、炭鉱として賑わっていた頃の様子がセットやCGなどで再現され、「見応えがある」と早くも注目を集めています。

勤務する旅行会社でさまざまな作品のロケ地をコーディネートし、プライベートでもロケ地研究家として全国の撮影地を巡ってきた筆者が、端島が「ロケ地」として採用され続ける、その魅力についてお伝えします。

【写真を見る】幻想的すぎる…入島困難な「現在の軍艦島内部」と、ドラマが完全再現していた「かつての人々の様子」

最盛期には「世界最大の密集度」だった

改めて、端島とはどんな島なのでしょうか。

長崎県長崎市沖に浮かぶ離島で、面積は6.4ヘクタール(東西約160m、南北約480m)とこじんまりとしています。江戸時代後期の1810年に海底炭鉱が発見され、明治時代以降、高度経済成長期の日本を支えた石炭産業の島です。

「軍艦島」という通称は、海上から見た島の形が戦艦「土佐」(1921年進水)に似ているとのことで、そう呼ばれたものと言われています。

島に家々がひしめき合う「海上の街」は、特に戦後、人口が急激に増加しました。最多人口は、1959年の5259人。このときの人口密度は、8万3600人/平方キロメートルで、これは世界最大の密集度です。

そうなると住宅が足りなくなり、しかし土地もないので上に伸ばすしかない、と、東京よりも早く日本初の鉄筋コンクリート造の高層住宅が作られました。1960年代に島は最盛期を迎えますが、その後は安全に採炭しうる石炭が枯渇し、採炭可能な石炭をすべて取り尽くした1974年に炭鉱が閉山、ついに無人島となりました。

近年では、閉山後の保存活動が実を結び、2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の中の構成遺産の一つとして、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

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