1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

日曜劇場「海に眠るダイヤ」の舞台"軍艦島"の圧巻 当時、最先端の建造物と生活の痕跡がいまも残る

東洋経済オンライン / 2024年11月10日 12時0分

撮影関係者が憧れる「端島」

無人島になって以来、離島という特殊な地域性から、朽ち果てていく廃墟がそのまま「保存」される形となった端島。いわゆる「廃墟シーン」の撮影に適した独特な雰囲気を有していたことで、これまで数多くの映画やドラマ、ミュージックビデオなどのロケ地として使用されました。

中でも、一躍その名を有名にしたのは、2012年公開の『007 スカイフォール』です。このときはロケハンのみの実施で、厳密には端島でのロケはありませんでした。

しかしながら、作中に出てくる廃墟の街(「デッド・シティ」と呼ばれている)として撮影されたセットが、端島をモデルとしていたことが公式に映画のエンドロールにも示されており、『007』ファンが端島を訪れる「聖地巡礼」現象が起きました。

また、日本の作品では、ドラマ『深く潜れ〜八犬伝2001〜』(2000年、NHK。鈴木あみさん主演)で、大掛かりなロケが行われました。

このように、多くの撮影関係者の憧れる「廃墟シーン」が撮影できる端島ですが、映画や大規模なドラマの撮影となると、100人以上のスタッフやキャストが一度に移動し、大規模な機材輸送の必要も出てくることから、現実的には困難が伴いました(たとえば、映画ロケに必要な仮設トイレの設置など)。

加えて、端島がユネスコの世界文化遺産に登録されて以降は、文化財保護の観点から撮影できるエリアが徐々に限定されていく形となっており、今後の撮影はさらに難しくなっていくことでしょう。

『海に眠るダイヤモンド』で印象的なあの場所

そんな中で、2015年公開の映画『進撃の巨人』では、作中の重要なシーンである退廃した街の撮影地を探しており、端島でのロケハンが行われることとなりました。撮影準備中の2014年、旅行会社でロケ地となった地域の観光活性化に携わっていた筆者も樋口真嗣監督によるロケハンに同行しました。

筆者自身、上陸は2回目でしたが、1回目のときよりも明らかに廃墟化が進行している印象でした。

このときは、当時からすでに一般の立ち入りは許可されていなかった9階建ての「65号棟」の内部に入り、その65号棟の屋上幼稚園や住居の跡など、貴重な生活の痕跡を見ることができました。

結果、端島でも撮影が行われることとなり、実際の劇中シーンでも、その65号棟の前や、端島小中学校のグラウンドなどで撮影が行われています(余談ですが、この『進撃の巨人』では、端島以外にも茨城県内の廃墟でロケをしています)。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください