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佐々木朗希のMLB移籍、大谷翔平との決定的な違い システムの問題だけではない「認められる」条件

東洋経済オンライン / 2024年11月13日 8時40分

2020年春季キャンプの佐々木朗希(写真:筆者撮影)

ロッテの佐々木朗希の、ポスティングシステムでのMLB移籍が決まった。ポスティングシステムとは、MLB以外のプロ野球リーグに所属する選手が、他球団と自由に入団交渉をする権利(FA権)を得る年限以前に、MLBに移籍するためのシステムだ。

【写真】ダルビッシュや大谷翔平のように「円満」移籍にならない?

ポスティングは、所属チームが承認することが前提で、球団が承認するとNPBのコミッショナーはMLBコミッショナーに当該選手の名前を通告する。

MLBコミッショナーはこれをMLB球団に伝え、入札する球団を募るのだ。応札した球団と選手の契約が決まると、所属元のNPB球団には、契約額に応じて一定の「譲渡金(ポスティングフィー)」が支払われる。

山本由伸のときは約72億円の譲渡金

NPBの海外FA権は9年経たないと得ることができない。MLBを目指す有為の選手が、それ以前の若いうちに移籍するためには、ポスティングシステムを使うしかない。

2023年オフには、オリックスのエース、山本由伸のポスティングでドジャースへの移籍が決まった。契約金は12年総額3億2500万ドル。オリックスには5062万5000ドル(約72億円)の譲渡金が支払われた。オリックスの年俸総額は約35億円とされるから、その2年分以上の譲渡金を手にしたことになる。

過去にも松坂大輔(西武→レッドソックス)、ダルビッシュ有(日本ハム→レンジャーズ)などがポスティングシステムを使って移籍し、NPB球団に巨額の譲渡金が支払われた。球団はこの費用を「ファンクラブ」のサービス内容を充実させたり、二軍本拠地球場を改修するなど、有効活用している。

譲渡金は、ここまで選手を育成したNPB球団に対しMLB球団が「育成費用」を支払ったとみなすことができる。見方を変えればNPBはMLBを「マイナーリーグ化」したとみなすこともできる。

ただし、ポスティングシステムで、メジャー選手として契約する(「メジャー契約」)ためには元のリーグで「少なくとも6シーズンプレーをしたうえで、満25歳以上である」必要がある。

昨年オフにオリックスから移籍した山本由伸はNPBに7シーズン在籍し、25歳になったオフにポスティング移籍しドジャースと「メジャー契約」を結んだ。

年限、年齢が未達でもポスティングシステムで移籍することは可能だが、その場合「メジャー契約」はできず、「マイナー契約」からのスタートとなり契約金は大幅に下がる。元いたチームへの「譲渡金」も、契約額に応じて少額になる。ポスティングルールは、基本的には「キャリア6年、25歳」が大前提になっていると言ってよい。

大谷翔平は23歳のオフにポスティングで移籍

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