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ユニクロ、店舗スタッフを変えた仕組み化の効果 6割のボリュームゾーンの従業員が自ら動くように

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 15時0分

ユニクロの基本となる仕組みは「グローバルワン・全員経営」です。これはユニクロの強さを語る上では不可欠な「仕組み」です。まず、グローバルワンの「仕組み」です。

ユニクロは2006年にグローバル化を宣言しました。アジア、北米、欧州、オーストラリアで業績は大きく伸び、23年8月期の海外売上高は約1.4兆円、本業の儲けを示す営業利益は約2000億円になっています。これは10年前と比べて、それぞれ約6倍、約12倍と大きく成長しています。

もちろん、ひとりひとりが必死に取り組んだ結果ですが、がむしゃらに事業を拡大した結果ではありません。「仕組み」の効果が大きいのです。海外人材もただ優秀な人材を採用して配置するだけではなく、「仕組み」をつくって、人材を採用、教育しています。

ユニクロの理念や原理原則を活用することで、グローバルでぶれない企業文化を構築し、人材に厚みを持たせることができています。店舗オペレーションの原理原則も「仕組み化」していて、環境変化にすぐ対応できるようなプラットフォームが社内にできあがっています。

世界中の全店舗の販売状況や在庫状況、お客さまの声を分析した情報などをいつでもどこからでも確認できます。これらのデータは365日24時間共有されていますので、国や地域、店舗ごとに常に戦略を見直し、修正する柔軟な体制につながっています。

グローバル化が進めば進むほど、企業全体で判断して意思決定する場面は増えます。ただ、当然ですが、限られた数の幹部社員が全世界に指示することは不可能です。いくら優れたリーダーでも、ひとりでできることには限りがあります。

ひとりに頼らず、現場の知恵を生かしながら、全員で最も良い方法を見つけて実行する方が現実的です。むしろ、そうした「仕組み」を社内に持っていない企業は、世界市場では決して勝てません。「全員で経営を行う組織」=「全員経営」が必須になります。

ひとりひとりが経営者マインドを持ち、ひとりひとりが自営業者のように主体的に自律して働く、自分で考えて結論を出し、自分で実行する。そうした姿勢が欠かせません。

【ユニクロの仕組みの柱②】全員経営

こうした意識から、ユニクロは2009年のスローガンに「グローバルワン」と同時に、「全員経営」の文言を盛り込んでいます。この2つはセットであり、今もユニクロの仕組みの土台になっています。

2014年に打ち出した「究極の個店経営」も「全員経営」の延長線上にあります。「全員で考えるなんて無理がある」「現場の人はそんな意識は希薄」という意見は常にありますが、柳井さんは「山口県宇部市から世界的なファッション企業が出ると誰が思ったか。誰も想像できないことを僕ができたのだから、あなたもできる」とよく言っていました。

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