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採用した外国人をすぐに逃さない企業側の秘訣 「なぜこの人材が自社に必要か」を徹底する

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 9時30分

彼らが安心して働ける理由として、総務部の山川竜太課長と小濵(こはま)彩乃さんの存在が大きいようです。会社が用意している寮にもたびたび顔を出して「元気?」「何か困ったことはない?」などと声をかけてくれ、何かと相談に乗ってもらえると、実習生たちからも評判です。

技能実習生のインジンシュエイーさんは、来日3カ月目に実父を亡くしました。「会社は帰国を勧めてくれましたが、帰国しても何もできないので残りました。つらい日々でしたが、小濵さんらがいろいろと話し相手になってくれたおかげで、乗り切ることができました」と感謝します。「小濵さんと休みの日に一緒に海を見に行くのが好きです」とも話しています。

寮の冷蔵庫の調子が悪い、エアコンの効きが悪いなど、細かな生活の不具合もすぐに情報を入手し、対応できています。「ミャンマーの人はなかなか自分から直接問題を伝えないため、実は小さなことが積み重なって生活のストレスになりがちです。

このように、仕事だけでなく生活面でも小さな情報を入手する経路を整備することは、外国人材の定着にとって非常に大切です」。4人の技能実習生が所属する監理団体であるハロージャパン協同組合の島袋善徳理事長は話しています。

「南の美ら花ホテルミヤヒラ」では、これまで外国人採用はインターン生が中心でした。企業としては長く働いてくれる方がありがたく、1年ごとに人材が入れ替わるインターンシップ制度と比べると、技能実習生は監理組合への費用や給料が日本人と同等で、インターン生より費用がかかるものの、長く働いてくれるため助かっているようです。

インターン生は1年間の滞在ですが、母国に戻った後、大学を卒業して再びミヤヒラに戻って働きたいという人も出てきているようです。

その場合は特定技能ビザを取得すれば、期間よりも長く雇用することができます。

「都会への憧れを持つのは、日本人も外国人も同じです。技能実習生として3年間の研修を終え、特定技能ビザに切り替えて島を離れ、都会へ働きに行くことはある程度仕方がないと割り切っています。ただ、都会にはない石垣島の良さを思い出して、またミヤヒラで働きたいと思ってくれたら嬉しいです」と島尻常務は期待を込めて語っています。

「八重山地方でも多くの外国人を見かけるようになりました。都会に比べれば賃金的には不利な場合が多く、離島という生活環境も限られていますが、なぜミヤヒラで働きたいと思うのか、その理由を大切にしたいと考えています。時代は昔とは違いますので、ミヤヒラのやり方や考え方を理解してもらい、本人の希望に会社が柔軟に対応することで、外国の方に選んでもらえるようにしていきたい」と、先を見据えています。

都会への転職意欲をどう落ち着かせるか

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