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採用した外国人をすぐに逃さない企業側の秘訣 「なぜこの人材が自社に必要か」を徹底する

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 9時30分

4人の技能実習生誰もが沖縄そばを気に入っており、「沖縄料理はミャンマー料理に似ていて相性がいい」と口を揃えて話しています。石垣島に来てから1年が経過しました。あと2年すれば特定技能に切り替え、転職も可能になりますが、4人全員が特定技能に移行した後も島に残りたいと話しています。

とはいえ、「ミャンマー人は定着率が高い」というわけではなさそうです。

石垣島から飛行機で約30分、宮古島を訪問した際、地元の人気レストランに入りました。そこで、とても日本語が上手なミャンマー人の店員が注文を取りました。

動きもテキパキとしており、来日して10年ぐらい経っているのかと思うほど気が利いていました。そこで「どこから転職してきたのか」と尋ねたところ、驚いたことに、来日してまだ半年だというのです。

さらに、なぜ宮古島のレストランを選んだのか理由を聞いてみたら、「国が大変な状況なので、とにかく日本に来たかった。兄が東京にいるし、いろいろ遊びたいこともあるので、1年のビザが切れたら東京に行く予定です。お店には内緒ですが……」と、人差し指を立てて口元に当てながら笑って答えてくれました。

2024年8月にミャンマーから宮古島にある「ホテルライジングサン宮古島」で研修を開始した技能実習生、ポッポッムイーさんは「ミャンマーでインターネットを使って宮古島について調べ、この仕事に応募しました。実際に来てみると、宮古島の人たちはとても優しく、毎朝の自転車通勤の途中では、子供からお年寄りまで皆さんがしっかりと挨拶してくれます。自然や人々の温かさが、まるでミャンマーにいるかのように感じられ、私にとってとても居心地のよい場所です」という。

また「私の故郷は海や川に囲まれた小さな村で、そうした自然の中で育ちました。そのため、都会よりも自然に触れられる場所の方が私には合っています。まだ来日して3カ月ですが、できるだけ長く宮古島で働きたいと思っています」と話してくれました。

企業側としては、特定技能1号で滞在可能な5年間は働いてくれることを期待して、1年間かけて指導し、ようやく戦力となったころに賃金の高い場所に転職されてしまう。とくに地方では、最近このような光景がよく見られます。それは、立地が問題ではなく、人材と企業のミスマッチと言えます。

外国人を採用する際、まずは日本国内にいる外国人を採用できないか検討する企業が多いのではないでしょうか。海外から外国人を採用するか、日本国内にいる外国人を採用するか、同じ外国人採用でも実は大きな違いがあります。

問題は企業の住所ではなく人材のミスマッチ

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