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あのヨーグレットが気づけば「グミ化」一体なぜ 多くの大人が「懐かしい!」長年の課題を攻略へ

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 8時40分

ありそうでなかった「もちっと」を目指して

話をグミに戻そう。40年間愛された味の継承と、新たな顧客層拡大という重責を担ってはじまったグミの開発。競合製品を徹底的に分析し、そこに勝つために最もこだわったのは「硬さ」だ。

「やわらかいと味がぱっと広がりやすいのですが、グミユーザーが求めている弾力感が実現しにくくなります。もちっとした弾力があるけど歯切れがよく、タブレットと同様、噛むと味がふわっと広がる硬さを目指しました」(高宮さん)

というのも、実は高宮さんの中には日頃から、「世の中には『もちっと』を謳っている商品は多いけれど、本当にあれはもちっとしているのか?」という疑問があったそうだ。「もちっと」を想像したときに、「これだ」と実感してもらえる食感がもっとあるのでは……と物足りなさを感じていたのだ。

そこで「もちっと」をとことん追い求め、製造できるギリギリ、「これ以上やわらかくしたら製品規制上、問題が起きかねない」という地点まで、数十回試作を繰り返したという。

筆者も味わってみたが、ぷよんとやわらかで、しっかり噛まないと切れない歯応え。たしかに「もちっと」を連想した。ほかの消費者の反応が気になるところだが、取材時はまだ発売から1カ月。このもちっと感が正解だったのかは、これから市場が判断するところだろう。

グミの特性に合わせ、初の味展開も

一方で、グミの味にもこだわった。目指したのはタブレットに近い、適度な酸味のある風味の再現だ。それに加えてヨーグレットについては、バリエーションも用意した。

「グミの市場は非常に多様性があり、そこから選ぶ楽しさが最大の魅力です。だから、数多くの味展開をしているブランドのほうが、棚で存在感を発揮しやすいと判断しました」と山下社長は説明する。

新たな味として生まれたのは、ヨーグルトとフルーツを組み合わせる「フルーツヨーグルト」をイメージした「fruit(フリュイ)」シリーズ。「いちごヨーグルト味」と「洋梨ヨーグルト味」だ。ヨーグレットでフルーツ味の展開をしたことはこれまでなく、ブランド初の挑戦となる。

こちらも食べてみたところ、いちごはジャムのような甘酸っぱさが際立ち、洋梨は、フルーティな甘みとヨーグルト風味がまろやかにマッチしている。そして、どちらも果実の香りの存在感が大きい。グミならではの新しいおいしさを実現していた。

こうして、満を持して発売となったヨーグレットグミ。幸いにも、スーパーや小売店は、「棚での存在感を発揮したい」という意図を理解し、3種類すべてを採用してくれるところも少なくないそうだ。

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