「会社、辞めたい」の原因は4つの深層心理にあった 「離職防止」喫緊の課題になった時代の基礎知識
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 12時0分
その思いが満たされないことが離職への決意につながっていくというわけだが、ここで見逃すべきでないポイントのひとつが、離職理由に「本音」と「建前」があること。離職者は離職の際に本音を言わずに辞めているケースがあるというのだ。とくにそれは、人間関係に起因する離職においてよく見られるそうだ。
上司との関係が原因で辞める場合でも、退職を申し出る先がその上司であれば、辞める理由を聞かれても「あなたが原因です」とは言えないでしょう。
また、人事や社長に退職の意向を伝える場合でも、「あの人が原因です」と言うと、その上司に確認がいって面倒なことになるのは容易に想像できます。
それが嫌だから、別の理由を言おうとするわけです。
(58ページより)
そうなると、会社としても本当の離職理由を把握できず、上司も自分が原因で部下が辞めていることに気づけないことになる。そのような状態が続けば、さらなる離職者が生まれたとしてもまったく不思議ではないだろう。
そのため、離職者が話す転職理由が前向きな理由ややむを得ない理由の場合は、本当の離職理由ではない可能性があること、そして人間関係に起因する離職については本音を言わないことがあることを心に留めておいていただければと思います。
(59ページより)
なお「人間関係に起因する離職」についていえば、上司が自分の当たりのきつさに気づかないことが影響していることも考えられる。いうまでもなく「きついことばを使う」「言い方がきつい」「過剰な不安を与える」上司がそれにあたるわけだ。不機嫌に話す人や、イライラしている人、冷淡な印象を与える人、理詰めにする人なども、部下の離職を加速させる可能性がある。
また、そういった人は、パワハラとみなされる恐れもあるので注意が必要だ。
「最近の若手は何かあったらすぐ辞める」
そう話す人は多いものです。この言葉には「最近の若手は軟弱で困る」と辞めた若手を批判する意図を感じます。たしかにデリケートな若者は多いです。
ただ、そう話す人は、自分の言葉や言い方がきつかったり、過剰な負担を強いてしまっていたりすることに気づけていないことがあります。
そのため、部下の離職を何度か経験している人は、この点について振り返ってみてください。できれば同僚にフィードバックを求めることが望ましいです。
(65ページより)
3つめが「成長欲求」だ。
成長欲求――意欲の高い部下の離職を防ぐ
成長欲求とは、「能力を伸ばしたい」「苦手を克服したい」「創造的・生産的でありたい」という欲求。さらには「自分の可能性を伸ばしたい」「可能性を追求したい」というような思いも含まれるだろう。いずれにしても人は、こうした欲求を満たすために成長の機会を求めるのである。
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