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「国民・玉木氏」は不倫で"セミ化"してしまうのか 政策実現を掲げるのなら、しっかりアピールを

東洋経済オンライン / 2024年11月18日 14時40分

(写真:Kiyoshi Ota/Bloomberg)

衆議院選挙を受けて開かれた特別国会の冒頭に、永田町を駆けめぐったスキャンダル。それが7議席から28議席と4倍に躍進した国民民主党の玉木雄一郎代表の不倫問題だった衝撃は大きかった。

写真週刊誌『FLASH』電子版が11月11日早朝に玉木氏の不倫を報じた3時間半後、玉木氏は国会内で会見を開き、元グラドルとの関係を認めて陳謝した。正午に開かれた同党の両院議員総会では、玉木氏に代表辞任を求める声は上がらず、予定通りに首班指名では「玉木雄一郎」と書くことで一致した。

そして、「趣味は玉木雄一郎」と公言してはばからない榛葉賀津也幹事長は、「この党の代表は玉木氏であり、プライベートな問題は家族で話し合い、政策実現に全力を傾けてほしい」と述べた。

支持者もがっかりの街頭演説会

しかし残念なことに、こうした姿勢は示されていない。まずはこの日の夕方に有楽町駅前で開かれた街頭演説会。通例として国会開会日などに新橋駅前で行ってきたが、この時は参政党に場所を奪われ、有楽町駅前に変更した。

開始時刻は当初、午後6時とされていたが、実際には6時45分に始まった。暗くなった駅前の広場には数百人が集まり、演説を待っていた。

ここで「103万円の壁の打破」を叫ぶなら、党としてアピールする絶好の機会になったはずだ。にもかかわらず、なぜ当初の予定を45分も遅らせたのか。この日の午後6時から、玉木氏は関西のテレビ番組にリモート出演することになっており、当初はそれまで別の議員がマイクを持つ予定だったのだろう。しかし、ここで行ったのは謝罪のみ。おそらく多くの支持者は失望したに違いない。

「見えにくいんですけど、あえて地べたからやらせてください」

準備された演壇を使わず、玉木氏は神妙に話し始めた。その横には沈痛な表情の榛葉氏が控えていた。これは「反省の意思表示」なのか。いや、そうではないだろう。玉木氏の顔を見ることができたのは前にいた一部の観衆だけで、有楽町駅前に集まった人の多くは2人の姿さえ見ることができなかった。

そして玉木氏は不倫問題について謝罪を述べて、榛葉氏とともにそのまま退場した。この間の時間はわずか7分で、せっかく初当選した議員たちにスピーチの機会も与えられず、照明や音響の機材はそそくさと片付けられた。

「頭を低くして謝罪した」と見る向きもあるが、これではまるで体のいい「アリバイ作り」ではないか。しかも特別国会初日という党にとって躍進のスタートラインとなるべきタイミングにこれでは、まさに前途多難といってよい。ちなみに第213回通常国会が開かれた1月26日には1時間余り、解散のために開かれた第214回臨時国会では、開会日の10月1日に50分程度の演説会が行われた。

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