斎藤氏再選で「兵庫県民を批判」する人の"盲点" 「疑惑」に乗っかった稲村氏の戦略もまずかった
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時40分
兵庫県知事選挙に圧勝したことが話題になっている斎藤元彦氏。ネット上では、兵庫県の有権者に対して批判的な言動をする人の姿も見られますが、その指摘は正しいのでしょうか。
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兵庫県知事選挙で、前知事の斎藤元彦氏が圧勝し、再選を果たしたことが衝撃を呼んでいる。斎藤氏はパワハラの疑いなどで内部告発されて県議会から不信任を議決されて失職、出直し選挙に臨むことになった経緯があるが、現職復帰は難しいとの見方が強かったからだ。
前述の内部告発後、県議会の調査特別委員会(百条委員会)による追及が始まると、テレビ番組は連日のようにその疑惑の中身を報道し、強烈なネガティブキャンペーンとして機能した。事情をよく知らない人でも、斎藤氏を見れば「パワハラ知事」「おねだり知事」として今話題の人だと捉えるほどであった。
ここにおいては、視聴率が取れるという分かりやすいメディアの性質が、事の真偽がどうかを置き去りにして暴走したことは明白である。特にお土産(贈答品)を要求したという「おねだり疑惑」に関するエピソードの数々は、必要以上に面白おかしく取り上げられ、大衆が喜んで消費するエンターテインメントに仕立て上げられた。
蓋を開けると大差で勝利
けれども、選挙が終わってみると、斎藤氏が111万3911票、元兵庫県尼崎市長である稲村和美氏の97万6637票に13万票超の大差を付けて勝利した。
この選挙結果の分析をめぐってはすでに様々なものが出ている。SNSの影響力が勝敗を分けたとするもの、これに関連してマスコミ不信が響いたとするもの等々、主としてメディアに絡むものが多い印象がある。
代表的なものにネットコミュニケーション研究所によるレポートがある(【兵庫県知事選挙2024】―ネットではどれくらい盛り上がったのか―【データ公開】2024年11月19日)。
同研究所は、斎藤氏は動画(YouTube、Instagram)において稲村氏を圧倒していたことに加え、斎藤氏を支持・支援するネットワークがYouTube上で大きな影響を及ぼしたと考えられると指摘した。
「特に、同じく立候補していた立花孝志氏は、自身のフォロワー数63万人を誇るYouTubeチャンネルで100本以上の動画を投稿し、これらは合計で1,500万回近く再生されました。また、立花氏公認の切り抜きチャンネルに加え、須田慎一郎氏や髙橋洋一氏による動画なども注目を集めました」と解説。
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