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京都の老舗を支える「よきパートナー」という思想 自社だけでなく、客や取引先とともに成長する

東洋経済オンライン / 2024年11月25日 14時0分

多くの老舗が残る京都ならではの「成長モデル」について解説します(写真:まちゃー/PIXTA)

「つねに歴史を振り返ることで、その歴史の中から革新が生み出される」。税理士でアンビシャスグループ代表の入口純子氏は、創業から100年以上続く老舗企業が京都に多い理由のひとつとして、京都ならではの「歴史」の重みと同時に、その歴史にあぐらをかかない「謙虚さ」を挙げています。

入口氏が指摘する、長い「歴史」の中で培われた、京都ならではの人と人との「関係性」とは、いったいどんなものなのでしょうか。

※本稿は、入口氏の著書『お金は使うほど、会社は強うなりますねん 京都の老舗を見てきた税理士が教える経営と会計』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

銀行員の自尊心をくすぐり、本来の役割に目覚めさせる

「晴れた日には傘を差し出し、雨が降ったら傘を取り上げる」

だから銀行なんて、信じたらダメ。しょせん、貸す側と借りる側。油断は命取り。半沢直樹のお父さんのような状態は、いまは、ドラマだけの世界かもしれません。一方で、「油断は命取り」は、ある面では真実だと考えています。

それは、銀行員も、プロとして真剣にお金を貸しているから。預金者から預かった大切なお金を、お金を必要とする企業のために仲介する。やみくもに、どこかれそこかれ経営者の言葉を鵜呑みにし、表面上の数字を見て、簡単に融資する。そんな銀行員ではダメ。

必ず返済、回収できるのかをプロの目で、しっかりと見定め、融資の決定を行います。 融資というのは、プロとプロの真剣勝負。借りる側も貸す側にも油断なんて、もってのほかです。

ただし、敵ではない。ここが面白いところです。真剣勝負ができる、切磋琢磨お互いに磨き合える、よきライバルであり、よきパートナーであることが銀行員との最高の関係性と考えています。

具体的には、自社担当の銀行員を見定めることが大切です。そのためには、自分もある程度の金融であったり、会計であったりの知識を持っておくことが重要です。そして、見定めて、この人はパートナーとして、信頼できると思ったら、信じること。

自分から心を開いてみてください。経営者によっては、すべてを明かしたら危険だからと、真実を隠したり、良い一部分しかオープンにしなかったりする人がいます。でも、それはダメです。

すべての情報がなく、一部の情報だけで本当に適切な融資提案なんて、できるわけがないのです。自分が疑っている間は、相手も自分を疑っている。人間というのはそんなもの。だから、自分が疑って、資料を出し渋っている間は、銀行員も提案を出し渋る。動きがどうしても遅くなる。自社担当の銀行員に、「あなたは、自社のパートナー」だと信じていることを伝えましょう。

「世界に名だたる企業」を支援してきた京都銀行

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