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"退職代行"を使われた上司「信用ダウン」の悲劇 多いのは営業、職場に与える「3つの影響」とは

東洋経済オンライン / 2024年11月25日 8時30分

しかし責任感があるならば、退職の意思を自らの口で同期や先輩に伝えるべきではないだろうか。

また、別の例もある。

「課長に世話になったので、とても言い出せない」

世話になった上司に直接、伝えるとなれば申し訳なさでいっぱいになる。だから退職代行を利用したくなるケースだ。

もちろん、言い出しにくいのは想像できる。だが私の考えでは、世話になったからこそ上司や先輩にも直接話すことが筋というものだと思う。「義理を通すべき」と考えるのは、古い考えなのだろうか。

3つ目の理由は「強い引き留めにあっている」だ。

退職を申し出ても話がなかなか進まないケースがある。特に入社して間もない場合や長年会社に貢献してきた場合は、「君の力が必要だ」「君が担当するプロジェクトはどうするんだ」といった形で引き留められることが多い。対話で解決できなさそうな場合、退職代行を使う場合があるのだろう。

なお、上記の3つには当てはまらないものの、「深刻に考えずカジュアルに退職代行を使ってみよう」とするケースも最近ではあるようだ。

退職代行を使うほど深刻な事情はない。自分の口から退職の意思を伝えようと思ったら伝えられる。しかし周囲も退職代行を使っているので、自分も軽い気持ちで試してみようという場合である。こうした気軽な利用が増えているのも事実である。

「営業の利用者が多い」のはなぜか

マイナビの「退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)」によると、直近1年間(2023年6月以降)で退職代行サービスを「利用した」ことがあると答えた人うち、職種別で最も多かったのは「営業」(25.9%)。次いで「クリエイター・エンジニア」(18.8%)、「企画・経営・管理・事務」(17.0%)だった。

「営業」の利用者が多いことは、営業コンサルタントの私としては注目すべき点だ。ここからは私の臆測にすぎないが、理由は次の2つだと考えている。

(1)人間関係のトラブルが発生しやすい

(2)引き留められる可能性が高い

20年以上、営業コンサルティングという仕事をしてきてハッキリわかることがある。それは、営業はほかの職種と比べて「出来不出来」の個人差が大きく出てしまう、という点だ。

私たちコンサルタントは、何とかしてこの「できる営業」と「できない営業」の差を縮めようと支援するのだが、自分流でやっている営業組織は、なかなかこの差を減らすことができない。

「なぜ同期入社したAさんは結果を出しているのに、君はこんな結果しか出せないんだ?」

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