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アルファード対抗も「中国ZEEKR」の先端クルマ作り "ギガキャスト"活用、電池含め生産自動化徹底

東洋経済オンライン / 2024年11月28日 11時30分

さらに最新モデルで2024年9月20日にデビューしたのが「7X」。ボルボとメルセデス・ベンツのデザイン要素を入れたものと説明しており、C+セグメントのSUVとなる。そして2024年10月23日に中国で発売した「MIX」はファミリーカーだ。対面シートになる特徴を持った次世代のEVである。

このように2021年のスタートにもかかわらず、すでにこれだけのラインナップをそろえようとしている。累計で34万台超の販売実績を持ち、これまで発火事故はゼロと安全性も謳っている。そしてダイナミックな走行性能を磨いたモデルと車内でカラオケができるなど居住空間に重きを置いて開発したモデルを持つ二刀流でもあるわけだ。

2023年からグローバル展開を開始

販売実績は2021年が6000台、2022年が7万2000台で、ここまでは中国国内だけ。2023年からグローバル展開を開始し、この年は11万9000台を売り上げた。2024年1-8月で12万1000台、前年同期比181%という高い伸び率だ。中国経済崩壊とニュースで騒がれているが、それは経済の一面でしかないことがわかる。

中国以外のメインマーケットはカザフスタンで、次いでイスラエルだという。ともにすでにBYDが進出しているマーケットだ。日本進出も考えると、BYDが開拓したマーケットへ競争力の異なった商品を投入する戦略を採っていると考えられる。

余談になるが、ヨーロッパや北米への展開については、ヨーロッパは現地生産を決めており、北米では大統領次第なところもあり(10月の取材時)、検討中という答えだった。またアジアではベトナムに工場建設を考えていると副社長のマーズ・チェン・ユ氏は語っていた。

さて、プロダクトの話に戻ろう。日本に導入するZEEKR Xと009に加え001をサーキットで試乗してきた。ZEEKR Xは前述したようにボルボのEX30と同じアーキテクチャーで、ハンドリングは軽快で乗り心地もよい。一方、エクステリアやインテリアについてはEX30とは明らかに異なるデザインを採用している。

特にインテリアではセンターにあるモニターを助手席前までスライドさせることができる。これはカラオケのための機能だそうだ。中国人はカラオケが好きだからだという。運転の楽しさより、クルマで何ができるかを求める中国国内のニーズを象徴する機能とも言える。

アルファード対抗の009

そして、009はトヨタ自動車の「アルファード」に対抗する位置付けとなる。ただし、ライバルではなく、「同じ市場を賑わす仲間だ」と副社長のマーズ氏は話していた。アルファードのハイブリッドもいいけど009のEVもいいよね、というわけだ。

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