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アルファード対抗も「中国ZEEKR」の先端クルマ作り "ギガキャスト"活用、電池含め生産自動化徹底

東洋経済オンライン / 2024年11月28日 11時30分

ちなみに、この009は中国ではLiDARを搭載しておりレベル2でありながら、かなり高度な運転支援が可能になっているという。法律が許せばOTAでレベル4を実現できるとも話していた。そして日本向けモデルにはLiDARを搭載はしない方向で検討しているという。

もう1台は4モーターの001FR。日本導入の予定はないが、カーボンブレーキを標準装備したスポーツカーで高い旋回性能と経験したことのない加速がEVの可能性を強く感じさせる。ユニークなのは001には標準モデル(FWD)と性能を落とした廉価版もある点。これらは航続距離や車両価格などの実勢を考慮したモデルと言えよう。

これらのプロダクトを生産する工場についても取材ができた。ZEEKRは中国の3箇所に生産工場を持ち、杭州湾工場は寧波(ニンポー)にあって、001、009、ポールスター4を混流生産している。成都工場ではZEEKR XとボルボEX30を生産。梅山工場では007とZEEKR Xの生産を行っていて、最新のギガキャストを使ったモデルは001と009で、杭州湾工場で作られている。

杭州湾工場のギガキャストで作られる部品はSAEプラットフォームと呼ばれ、A〜Eセグメントサイズに対応できるとしている。このプラットフォームには200億元(約4000億円)以上の投資をしたというのだから、スケールはデカい。SAEプラットフォームの特徴は、ギガキャストの採用と同時にサイドシル構造にもある。ハニカムではないが、何やら四角いプレートが挟み込まれた構造で、サイドインパクトやオフセット衝突で順番に潰れていく構造としていて、世界初の構造だと説明している。

バッテリーは600kgの重さで、フロアに搭載される。001と009に関してはCATL(寧徳時代新能源科技)製の三元系NMC(ニッケル、マンガン、コバルト)リチウムイオン電池を搭載。また、リン酸鉄系リチウムイオン電池(LFP)を積むモデルもあり、こちらはVReMT(ヴィレイ)から調達している。このVReMTは吉利汽車の子会社で、NMCも生産しており、そのNMCはボルボに採用している。どちらもこれまでの発火事故はゼロだという。

バッテリー生産は91%自動化

このVReMTでのバッテリー生産技術は91%自動化されており、23工程を9人で管理している。また、モーターもここで製造しおり、基本は駆動モーター、インバター、減速機を1ユニットにした「3 in 1」構造。モーターは2タイプあり、高級モデル用の高効率モーターのEDS1は年産45万個、Smartなどの小型車に採用されているEDS2は年産8万個だという。

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