ホンダ「CR-V e:FCEV」先進さより際立つ普通さ 水素を使った燃料電池車を感じさせない作り
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 8時20分
なお、水素で走る通常の走行では、1回の充填で約621kmもの走行距離を実現(充填時間は約3分)。休日のレジャーなど、遠距離ドライブなどにも使える航続距離を実現している。加えて、市街地などでは、水素を使わずにバッテリーのみの電力で走るEV走行も可能。1回のバッテリー満充電で走行できる距離は約61kmだ。
外観やボディサイズについて
外観は、大開口フロントグリルなどで、力強さを演出した顔付きが印象的。ボディサイズは、全長4805mm×全幅1865mm×全高1690mm。近い車格のSUVモデルには、例えば、トヨタ自動車「ハリアー」などが挙げられるが、こちらのボディサイズは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm。CR-V e:FCEVのほうが、全体的にやや大きめになっている。
なお、CR-V e:FCEVは、ベースとなったハイブリッド2WD車と比較して、フロントオーバーハングを110mm延長。これは、新開発の一体化パワートレイン搭載によるものだ。なお、これにより、フード/フロントフェンダー/フロントバンパー/グリル/リアバンパーロアなどは専用設計になっている。また、最低地上高もベース車の198.2mmに対し170mmと約30mm低い設定。さらに車両重量は、肉厚の水素タンクやFCスタックなどがかなり重いため、ベース車比で約200kg重い2010kgとなっている。
国内で販売されるホンダ製SUVのなかで、最も大きな車体を持つのがCR-V e:FCEV。「ヴェゼル」などのコンパクトSUVに慣れたユーザーでは、ぱっと見ると大きさに圧倒される人もいるかもしれない。だが、実際に運転席に座ってみると、意外にも、外観ほどの威圧感はない。アイポイントがやや高めで、前方視界も良好なためだ。
ドライビングポジション自体は、足が前方に伸びるセダン的でスポーティな感じだが、ボンネット先端の見切りなどもさほど悪くない。最小回転半径も5.5mを確保しているので、狭い路地などで、ステアリングを左右に切り返すようなシーンでも、車格のわりに小まわりが利き、扱いやすい印象だ。
なお、ステアリングホイールには、しっとりとしていて滑らかな触感のシンセティックレザーを使用。本革と同等の見た目により、高級感を演出する。Uターンなどステアリングを大きく切るような操作でも、手が滑りにくく、握り心地も満点だ。また、バケット風のシートは、適度な硬さで座り心地も良好。生地にはバイオ素材を使うことで、環境に優しいFCEVらしい演出も加味している。
発進や加速について
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