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ホンダ「CR-V e:FCEV」先進さより際立つ普通さ 水素を使った燃料電池車を感じさせない作り

東洋経済オンライン / 2024年11月29日 8時20分

なお、これもホンダ開発者の話だが、北米では、「CR-V e:FCEVの荷室にマウンテンバイクを積載し、アウトドアスポーツを楽しむユーザーもいる」のだという。ちなみに、このモデルの前に販売されたセダンタイプのクラリティ フューエルセルは、荷室が狭いため、自転車などの積載は無理だった。CR-V e:FCEVは、SUVタイプとしたことで、セダンタイプより荷室に余裕があるのだ。しかもCR-V FCEVは、水素の一充填当たりの航続距離が長いため、アウトドアのレジャーにも十分に使える。こうした点も、CR-V e:FCEVは、都市部の移動だけでなく、遠方のドライブを楽しむユーザーにも最適であるといえるだろう。

充電・給電に対応したプラグイン機能

CR-V e:FCEVは、ほかにも、日本の自動車メーカーが発売するFCEVモデルとして初めて(2024年7月時点/ホンダ調べ)、外部から充電可能なプラグイン機能を採用していることもトピックだ。左フロントフェンダー内にAC充給電口を設置し、バッテリーの普通充電を可能とする(6.4kWで満充電は約2.5時間)。

また、標準装備のAC車外給電用コネクター「ホンダ パワーサプライコネクター(Honda Power Supply Connector)」を普通充電口に差し込めば、1500Wまでの家電製品などを使用できる。アウトドアなどのレジャーはもちろん、停電時の電源として活用できるのだ。

加えて、荷室内には、CHAdeMO(チャデモ)方式のDC給電コネクターも設置。ホンダ製の「パワーエクスポーターイー6000」「パワーエクスポーター9000」といった可搬型外部給電機を接続すれば、一般家庭の約4日分の電力も供給可能。災害時の非常用電源から屋内イベントまで、さまざまな用途に活用できる。

CR-V e:FCEVの価格(税込み)は809万4900円。企業ならまだしも、個人で購入するには、かなり高価だ。ただし、国や地方自治体の補助金を使えば、個人購入でも、約半額程度になる場合もある。

例えば、「令和5年(2023年)度補正 CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」では、CR-V e:FCEVに対する補助金額は255万円(2024年11月13日現在)。それに、東京都在住であれば、「東京都ZEV補助金」も使える。令和6年(2024年)度の補助金額は、FCEVの場合、事業者・個人のいずれも110万円。さらに、充放電設備(V2BやV2H)の設置など、ほかにも上乗せになる条件をいくつかクリアすれば、補助金額は最大で計145万円となる。つまり、東京都に住むユーザーの場合で、CEV補助金+東京都ZEV補助金をフル活用すれば「255万円+145万円=400万円」となるのだ。

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