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ホンダ「CR-V e:FCEV」先進さより際立つ普通さ 水素を使った燃料電池車を感じさせない作り

東洋経済オンライン / 2024年11月29日 8時20分

ブレーキペダルを踏んでパワーボタンを押すと、走行可能な状態となる。モーター駆動のFCEVだから、当然ながらクルマは静かなままだ。このあたりは、ホンダ独自の2モーターハイブリッド機構「e:HEV」を搭載するハイブリッド車も同様。バッテリーが満充電であれば、エンジンはかからず静かなままなので、慣れている人も多いだろう。いずれの場合も、メーターなどが点灯することで、走行可能な状態なのかが確認できる。

走行するには、まず、最近のe:HEV搭載車などにも採用するボタン式シフト「エレクトリックギアセレクター」の「D」ボタンを押す。その後、アクセルペダルを踏み込めば、電動パーキングブレーキが自動解除され、スムーズに発進する。

この際、バッテリーの充電状況が良好であれば、バッテリーに蓄えた電力で走るEVモードとなり、水素の消費量を低減する。そこから、ある程度アクセルを踏み込むと、水素による発電とバッテリー電力の両方を効率的に使う「オート(AUTO)モード」へ自動で切り変わる。

なお、ほかにも、このモデルには、エレクトリックギアセレクターの左隣にある「eボタン」を押して「セーブ(SAVE)モード」に切り替えれば、燃料電池システムを使用しバッテリーの電力を節約。また、「eボタン」長押しで「チャージ(CHARGE)モード」を選べば、燃料電池システムの発電量を増やしてバッテリーに充電する。

さらに「eボタン」上には、ドライブシーンに応じ4つのモードを選択可能な「ドライブモードスイッチ」も採用する。幅広いシーンに対応する「ノーマル(NORMAL)モード」、ワインディングなどに最適な「スポーツ(SPORT)モード」、エコドライブをアシストする「イーコン(ECON)モード」、雪上でもスムーズな走りを生む「スノー(SNOW)モード」を用意する。

スポーツモードの走り

とくに筆者的に楽しかったのはスポーツモード。ノーマルモードなどと比べると、アクセルペダルの操作に対し、かなりダイレクトで、スポーティなパワー感を実感できた。しかも、ステアリングホイールには「メタル製減速セレクター」も装備しており、アクセルオフ時の回生ブレーキの強さを4段階で調節可能だ。コーナー手前でブレーキングに合わせて減速度を高めるなど、ガソリン車などのセミオートマ仕様的な走りを楽しむことができる。

しかも、そうした走りを味わう場合も、(海外製の某BEVのような)過度に急激な加速や、逆にパワーがついてこないといった感じはない。あくまで電動車らしいスムーズさを維持しつつ、アクセル操作に対しリニアにパワーが出る感じだ。こうした特性により、前述したとおり、普段ガソリン車やハイブリッド車に乗っているユーザーが、初めてFCEVの当モデルに乗っても、違和感はほぼないだろう。燃料が水素というだけで、乗り味などは「いつものクルマ」。まさに、今までと同じ感覚で乗れることが予想できる。

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