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スシローが急拡大「デジタル回転レーン」の"凄さ" 消費者にも歓迎されるDX化の好例になっている

東洋経済オンライン / 2024年12月2日 8時30分

回転ずしチェーン大手「スシロー」で行われている「デジロー」の導入店舗が拡大することがわかった。DX化という点でも、この施策は成功例と言えそうだ(撮影:今井康一)

回転ずしチェーン大手「スシロー」で行われている「デジロー」の導入店舗が拡大するという。

【画像7枚】スシローが導入拡大「デジロー」はこんな感じ

デジロー(正式名将:デジタル スシロービジョン)とは、各客席に付けられた大きなモニターにすしが回る様子が映されるシステムのこと。客は、本当にすしが回転しているような気分の中、モニター上のすしをタップして注文をする。いわば、デジタル化された回転ずしなのだ。

このシステムは2023年9月から東京や大阪をはじめとした店舗で試験的に導入されていたが、導入店舗の売り上げや顧客満足度が高いことから、2025年度に全国100店舗への拡大を予定している。

デジローはDX化の取り組みの一つだが、実はこれ、DX化を成功させるための重要な論点が含まれていると思っている。どういうことか、解説しよう。

デジロー導入の背景にある回転ずし業界の厳しさ

スシローがデジローを導入した背景にあるのは、回転ずし業界が置かれた厳しい現状がある。

【画像7枚】スシローが導入拡大「デジロー」はこんな感じ

まずは、運営コストの圧迫、具体的には魚の値段の上昇だ。円安や地球温暖化による魚の捕獲量の減少、燃料費の高騰により、水産資源の値段がインフレしている。「安さ」を価値の一つとする回転ずし業界にとっては死活問題だ。

スシローでは2022年10月に大規模な価格改定を行い、1984年以来続いていた「1皿100円」が終了。また、同じ時期にくら寿司も値上げに踏み切っていて、同じく100円皿が終了している。厳しさの一端がうかがえるだろう。

こうした状況に加え、回転ずしチェーンの国内店舗が飽和している問題もある。日本ソフトが発表している寿司チェーンの店舗数ランキングによれば、業界全体の店舗数は2024年7月段階で4164店舗。昨年7月の4201店舗よりもわずかに減少している。実は、2年連続でその数は減少していて、国内店舗数の天井が見えてきた形だ。

実際、スシローの運営会社であるFOOD & LIFE COMPANIESの2024年9月期決算資料を見ると、近年力を入れている海外出店が42店舗の増加に対して、国内の新規出店数は5店舗の増加にとどまっている。

こうした中、DX化を行って店舗運営効率を上げたり、より魅力的な店舗空間を作って国内の回転ずし客のシェアを取っていかなければ、成長の伸びしろはないわけだ。

店側にとってメリット満載のデジロー

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