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住宅ローンに影響…日銀はどこまで金利上げるか どうして日銀は金利を上げるかわかりやすく解説

東洋経済オンライン / 2024年12月4日 9時20分

政策金利の上昇が長期金利の上昇に影響を与えている一例になりますが、他にも私たち身の回りのさまざまな金利は短期、長期に限らずあります。日銀の3月の利上げ転換後、足元にかけて上昇しています。

こうした金利上昇は経済活動にネガティブな影響につながります。住宅ローンの例で見ると、金利上昇で支払い負担が増えると住宅を買える人が減ってしまいます。住宅ニーズが減れば、住宅を作るための投資が減って景気にマイナスに働くということです。

景気にブレーキを踏んでいく利上げをする理由

企業活動への影響も考えてみましょう。企業が新しい工場を作るなどの設備投資を計画するとします。金利が上昇して銀行からの借り入れの利払い負担が増えれば、企業の設備投資を控える姿勢が強まってしまいます。このように設備投資が減ることは景気を冷ます方向につながります。

話を整理すると「利上げは景気にブレーキを踏んでいく政策、反対に利下げは景気にアクセルを踏んでいく政策」と言えます。

それではなぜ、日銀はあえて景気にブレーキを踏んでいく利上げをするのでしょうか。それはモノの値段が大きく上がる物価高、急激なインフレを抑える目的からです。

例えば、そろそろ自動車を買い替えたいと考える人がいるとします。金利が上がってローンの負担が大きいと、値段の高い車の購入は控えがちです。

あるいは、まだ今の車も使えるし、買い替えはやめておこうと考えるかもしれません。モノを買いたいと考える人が減って需要が下がれば、今の値段ではモノが売れなくなるため、値段は下がっていきます。このように利上げすることは、インフレを抑える働きがあるのです。

日銀はどこまで利上げするのか?

ここまでの話を踏まえたうえで、今回のテーマ「どうして日銀は利上げするのか」「どこまで利上げするのか」について考えてみましょう。

為替相場では2024年4月に円安ドル高が進行して、1990年以来34年ぶりに1ドル=160円台を付けました。為替相場は変動が大きく11月末にかけて円高への修正も見られましたが、11月14日に1ドル=156円台を付けており歴史的な円安水準にあることには変わりません。円の価値が下がればどうなるでしょうか。輸入品を買う際に価値が下がった分だけ余計に円を支払う必要となります。円安による輸入品の値上がりが足元の物価高の大きな要因となっています。

この対応として利上げして金利が上がれば、お金を金利が相対的に高い国に預ける投資家が増えるため、円の保有が見直されます。円の需要が高まれば円高につながります。つまり利上げは円高を通じて足元の輸入物価高の影響を抑制します。

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