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「めまいの悩み」年だからとあきらめてはいけない 脳と筋肉だけは、年を取っても成長させられる

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 14時0分

「回転性めまい」の発作は、数分で治まる場合もあれば、長時間にわたり続くこともあります。ときには吐き気や嘔吐などの症状も伴います。動くことすらままならないような重い症状が出ることが多く、3つのタイプのめまいの中でもっともやっかいなめまいと言えるでしょう。

【② 雲の上を歩いている!? フワフワ型の「浮動性めまい」】

体がフワフワ浮いたように感じる「浮動性めまい」は、おもに次のような症状があります。

・体がフワフワと宙に浮いているような感覚がある

・マットやスポンジの上を歩いているような、フワフワした不思議な感覚を覚える

回転性めまいほどの重い症状ではないのですが、症状が長引くことが多いのが特徴です。そのため、症状があっても異常とは感じず、病院へ行かない人も多いと思われます。

ひと昔前は「フワフワ型のめまいが起きたら、まずは脳の疾患を疑うべし」と言われていました。しかし近年の研究では、その可能性は低いことがあきらかになっています。

【③ まっすぐ歩けない、人混みが怖い! ユラユラ型の「動揺性めまい」】

頭や体がグラグラ、あるいはユラユラ揺れた感じがする「動揺性めまい」は、おもに次のような症状があります。

・体が前後にユラユラして、不安定で立っていられない

・地震でもないのに、地面がユラユラ揺れているような感じがする

・歩いているとき、体が右や左に引っ張られるような感じがして、自然に右か左のどちらかに曲がってしまう

・人混みで他人にぶつかりやすい

・家の中で物にぶつかりやすい

「動揺性めまい」のつらいところは、めまいの治療を得意としない病院を受診すると、「原因不明」として有効な治療を受けられない場合があることです。「歳のせい」「気のせい」などと言われてしまうこともよくあります。

クラーッとする「立ちくらみ」にも要注意

以上の3つのタイプのほかに、もうひとつお話ししておきたいめまいの症状があります。立ち上がったときに「クラーッ」とする「立ちくらみ」という症状です。

これは耳ではなく、脳貧血や心疾患、脳血管障害などによる一時的な血流障害が原因となる症状です。低血圧、睡眠不足、疲労などが原因で起こることもあります。

この立ちくらみは、なかなか完全改善が期待できない少し特殊なタイプのめまいです。ときには重篤な病気が隠れていることもあるため、症状が頻繁に起こるようであれば、耳鼻咽喉科ではなく、循環器内科や脳神経内科を受診することをおすすめします。

とくに、65歳以上で生活習慣病の高血圧や糖尿病などの持病がある男性で、突然、強い立ちくらみの症状が出た場合は、脳梗塞や脳出血などの脳の障害が原因の「中枢性めまい」と呼ばれるめまいの可能性があるので、早急に脳神経内科、脳神経外科などを受診する必要があります。

ちなみに、高血圧や糖尿病などの持病がある男性は、女性の3倍も中枢性めまいになりやすいことがわかっているので、生活習慣病に注意することが重要です。

新井 基洋:横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科部長

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