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「インバウン丼」食べない人にも批判された深い訳 テーマパーク化するニッポンに、どう向き合うか

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 8時40分

ここでも、外国人観光客向けにさまざまな商品が高額になっていることが連日報道されている。例えば、普通のカツ丼が3000円など、一般の日本人からすれば目が飛び出るような価格の商品がゴロゴロ転がっている。

このエリアを歩けば、看板は英語ばかりだし、コンドミニアムも外国人向けに作られていて街並みはどこかの外国のよう。まるでディズニーランドのようなテーマパークが広がっている。

2023年にニセコは外国人観光客数が過去最多となり、投資も含めて世界中から注目される観光地の一つとなっている。

こうした活況の理由について『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』(講談社+α新書/2020年)で著者の高橋克英氏は、ニセコが外国人富裕層を「選択と集中」し、彼らが満足できるようなサービスや場所をつくったことがその活況の原因であると分析する。

まさに外国人(それも裕福な)に「選択」されたテーマパークが「ニセコ」であり、近年の日本の観光地でもこのような場所が増えているのだ。

一方、「選択と集中」は当然のことながら、「選択されなかった人」を生み出す。やや強い言い方だが、ある層の「排除」を生み出すわけである。

実際、ニセコのニュースが報道されるにあたって「日本人は相手にされていない」とか「日本人お断りなのか」などといったコメントがしきりに言われ、そこでは否応なしに「日本人排除」が意識されている。

筆者はこうした現象を「ニセコ化」と呼んで、来月発売する書籍『ニセコ化するニッポン』の中で、その現象がどのように日本に広がっているのかを考察している。

話を戻せば、千客万来もまた、こうした意味での「排除」を日本人に感じさせているのだろう。

高額なインバウン丼が報道されることによって、どこかその場所について、外国人だけが選択され、日本人は排除されているように感じてしまう。

そのことに対する言いようのない不快感を、多くの日本人が感じているのかもしれない。だからこそ、このような反応が生み出されてしまうのだ。

大阪でも起こっている「テーマパーク化」への反発

日本が「外国人向けのテーマパーク」のようになっていくことへの反発は、他の場所でも見られる。

例えば、大阪にある黒門市場などはその代表格だ。この場所でも、一部の店頭には数千円する牛串が英語の表示とともに売られていたり、外国人向けのショップが軒を連ねていたりする。

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