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あなたの街のイトーヨーカドーが閉店した必然 総合スーパーの非食品売り場にダイソーなど進出

東洋経済オンライン / 2024年12月15日 9時30分

閉店した「イトーヨーカドー春日部店」(写真:時事)

漫画『クレヨンしんちゃん』に登場する「サトーココノカドー」のモデルでもあり、地元市民に長く親しまれたイトーヨーカドー春日部店が閉店したことが、ネット上でも話題になっていた。

【図表でわかる】あなたの街のお店は?イトーヨーカドーの「閉店対象店舗」の一覧

そこでは、しんちゃんゆかりのスーパーの閉店を惜しむ声とともに、最近、何度となく話題となってきたイトーヨーカドーの大量閉店を踏まえて、「ヨーカ堂は大丈夫?」といった声も多かった。

ヨーカ堂は何をしようとしているのか

確かにセブン&アイ・ホールディングスに関しては、現在進行中のカナダ大手コンビニ企業からの買収提案はさておき、一部株主からコンビニ以外の事業の収益性の低さが指摘され、百貨店「そごう・西武」のアメリカファンドへの売却や、低採算のイトーヨーカ堂の再建に取り組む計画が進んでいた。

今回の春日部店の閉店も、ヨーカ堂の店舗網再構築計画の一環だが、事業計画を知らない一般消費者からすれば「ヨーカ堂の経営は大丈夫なのか」「自分の家の近くにある店舗は存続するのか」と心配になるのだろう。

ということで、「サトーココノカドー閉店」を機に、いまヨーカ堂は何をしようとしているのか、少し振り返ってみることにしよう。ちなみに、セブン&アイ回りのさまざまなM&Aに関する話題はいったん置いておく。

ヨーカ堂の業績の推移は、売上高、営業利益率ともに全盛期の1990年代から右肩下がりで落ち込んできた。

2024年2月の決算データでは、営業収益8149億円、経常損失2.7億円、事業再構築に係る費用(閉店、改装、事業転換など)を含めた最終損益は379億円の赤字であるが、財務安定性を示す純資産は5051億円あって、純資産比率は72.4%というのが現状だ。

注目はこの純資産比率が、スーパー業界ではいまだにトップクラスにあるということ。右肩下がりが続いたとはいえ、大きな赤字が続いたわけでもないので、自己資本はほとんど毀損していない。過去の蓄積があって、時間的余裕はまだ十分にある、という状況だ(大量閉店を経ても耐える体力があるということ)。

スーパー業界でトップクラスなのにダメ出しされるワケ

では、なぜこんなにダメ出しをされるか、といえば、セブン&アイがグローバルコンビニ大手であり、世界基準で比較されると、セブン-イレブンのお荷物的な存在になるからである。

ヨーカ堂はグループのスーパーストア事業を統合して、再構築される計画だが、スーパーストア事業全体での今期の業績予想は、営業収益1兆4390億円、営業利益135億円。営業利益率は0.9%と低いが売り上げとして国内トップクラスのスーパーであることは間違いない。

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