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「日本で下に見られても」ミャンマー人経営者の誇り 物件も借りられず融資もダメ…それでも日本で働く理由

東洋経済オンライン / 2024年12月15日 8時30分

飲食店などを経営するミャンマー人経営者のボボチョーさん(左)とテテトゥさん(写真・西垣充)

在日ミャンマー人が集まる街、東京・高田馬場。1990年代後半からミャンマー料理店や雑貨店が集まり始め、すでに「リトルヤンゴン」とも呼ばれるようになりました。

現在ではミャンマー料理店が20店舗以上あるようで、急増する在日ミャンマー人の影響もあり、新たな店舗の開店が相次いでいます。そんなミャンマー料理店の激戦区で、本場の味が楽しめると評判を集めて在日ミャンマー人の間でも人気なのが「ズー&ヘイン ミャンマー ティー ハウス 高田馬場店」です。

「経営管理」ビザを取得した2人

JR高田馬場駅から徒歩10分ほどの目抜き通りに位置する、周囲からはひときわ洗練された3階建ての建物。この店を経営するのは、ミャンマー人夫婦のボボチョーさん(43歳)とテテトゥさん(40歳)です。店名の「ズー&ヘイン」は、2人の子供の名前にちなんで名付けられました。

本国では決して裕福な家庭に育ったわけではない2人。しかし、汗水を流して働き、時には涙をこぼしながらも、夫婦二人三脚で支え合い、ここまで歩んできました。「ここにたどり着くまでいろいろありました」と、笑顔で語るその表情の裏には、苦労の連続だった日々が垣間見えます。

2003年に留学生として来日したボボさんと、2006年に同じく留学生として来日したテテさんは、現在は「経営管理」ビザを取得し、日本で生活しています。

「従業員は現在、グループ全体で約40人で全員がミャンマー人です。その中には、5年間働くことができる特定技能ビザを持つミャンマー人従業員もいます。しかし、私たち夫婦は日本に滞在して20年近く、会社経営者となって7年目を迎えたにもかかわらず、昨(2023)年までは毎年ビザを更新しなければなりませんでした。昨年、初めて3年のビザを取得できましたが、『経営管理』ビザは正直おすすめできません」(ボボさん)

苦笑いして話すボボさんですが、その言葉の裏には、日本で正々堂々と経営を行い、生活を築いていきたいという強い意志と気概が感じられます。

同じ留学先で知り合い、ほどなく交際を始めた2人は、2008年に日本で結婚しました。翌年の2009年には、アメリカの永住権(通称グリーンカード)が抽選で当たる「DV Diversity Program(アメリカ抽選永住権)」に当選します。

当時、日本での永住権取得は非常に困難で時間がかかると聞いていたため、アメリカの永住権取得を目指して手続きを進めていましたが、父親の政治的な問題など、さまざまな理由から最終的に取得することはかないませんでした。

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