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「日本で下に見られても」ミャンマー人経営者の誇り 物件も借りられず融資もダメ…それでも日本で働く理由

東洋経済オンライン / 2024年12月15日 8時30分

その物件は居抜きではなかったため、内装費がかさみ、費用は総額4500万円に達しました。銀行に融資を相談したものの、店舗の実績や一定の預貯金があっても貸し付けの承認を得ることはできませんでした。

それでも自己資金のみで準備を進め、2022年12月5日、日本の「リトルヤンゴン」とも呼ばれる高田馬場で念願のオープンを迎えました。

「店舗の経営が順調に進み、4店舗で年間1億5000万円ほどの売り上げを達成できるようになったことで、ようやく1000万円の借り入れが可能になりました。しかし、銀行の担当者からは『同じ事業にもっと集中したほうがいい』とアドバイスを受けました」(ボボさん)

ミャンマーでは政治的にいつ何が起こるかわからず、法律も頻繁に変わるため、経営環境が急速に変化するのが日常です。そのため、生き残る企業ほど多角経営を行うことが一般的です。

こうした背景もあり、2人は「日本でもミャンマー人のわれわれには何が起こるかわからない。だからこそ事業を多角化し、リスクに備える必要がある」と考えるようになりました。

また、ミャンマーでは日本のように銀行から融資を受けることが難しい環境で育ったため、「自分の力で何とかする」という姿勢が自然と身に付いたことも影響しているようです。

「コロナには感謝しています。今でも、外国人だからという理由で、銀行から融資を受ける難しさや、物件を借りる際だけでなく、日常生活でも見下されることが多いと感じます。それでも日本でもっと仕事をしたい、そして会社を大きくしたい」(ボボさん)

日本への帰化を考慮中

こうした思いから、ボボさんは日本への帰化を真剣に考えています。

「自分の居場所はミャンマーではなく、日本だと思っています。日本の人々のために、ミャンマーの味や伝統が日本で交差する素晴らしい機会を、ミャンマー人としてどんどん作りたい」とボボさんは打ち明けます。

さらに、日本人に帰化したとしても、ミャンマー人としての誇りを忘れず、母国が大変な状況だからこそ、日本でミャンマー人をサポートしていきたいと考えています。たとえ日本語を話せないミャンマーの若者であっても、母国に残る親たちが安心して働けるような店や職場を、一つでも多く作りたいという思いを胸に、行動していきたいと語ります。

最近、日本テレビの「王様のブランチ」に出演したことをきっかけに、番組を見た日本人のお客さまが増えています。食に関するメディアでも紹介され、多くの注目を集めています。

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