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ディズニーの「大規模イベント」に見た2つの戦略 会場には韓国からの有名スターも続々参加

東洋経済オンライン / 2024年12月16日 12時0分

今回のコンベンションで、プレスカンファレンスが設けられたのは、前述の韓国ドラマの新作6本のみ。登壇ゲストも、日本からはショーケースの3人のみだったが、韓国からはキャスト、監督、クリエイターを含めて総勢20人。さらに、この6作以外の新作のスター俳優たちからのビデオメッセージもあった。

招待メディア関係者の数でも韓国は150人ほどと最大。ディズニーのアジアにおけるトッププライオリティが韓国であることが如実に伝わってきたイベントでもあった。

アジアの主力は韓国ドラマと日本アニメ

そのなかで、世界の支持を受ける日本アニメから、『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』のような、世界規模の新たなシリーズ創出を目指す野心的なコンテンツ制作が発表されたのは、注目すべき点だろう。

韓国ドラマと日本アニメ。この2つがディズニーアジア戦略の主力に位置づけられているのだ。

では、日本ドラマはどうか。昨年の実績では韓国ドラマに水を開けられているが、昨今では日本語がメインになる『SHOGUN 将軍』が『第76回エミー賞』でディズニー作品として歴史的な快挙を成し遂げたほか、『ガンニバル シーズン2』はディズニープラスのアジアオリジナル作品として初のシリーズ続編となるなど、日本題材や日本クリエティブへの追い風が吹いている。

コロナ禍の混乱と試行錯誤を経た、ここ数年の深刻な不振を乗り越えようとしてきたディズニー。クリエイティブ指針の転換などさまざまな施策の効果が現れはじめた今年、日本では劇場映画興行に復調の兆しが見えている。

そんななか、ディズニープラスにおいてグローバルに訴求するアジアを軸としたローカル作品開発への注力を明確にアピールしたのが今回のショーケースだ。

そこでの主役は日本ではなかったが、ここからの日本の奮起が、アジア発のローカルコンテンツシーンをより活性化させ、クリエイティブもクオリティも世界標準へと引き上げていくことにつながるのではないだろうか。

日本のエンターテインメント業界にとって、『SHOGUN 将軍』はひとつの突破口になる可能性があるだろう。繰り返しになるが、確かにいま風は吹いている。アニメだけが世界的な訴求力を持つ日本コンテンツではないことを示す時代の流れが来ており、ディズニープラスはその先頭グループで新たな波を起こそうとしているのだ。

Jドラマが世界を席巻する時代目指す

ウォルト・ディズニー・カンパニーAPACオリジナルコンテンツ、エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ウォルト・ディズニー・ジャパン 代表取締役社長のキャロル・チョイ氏は「アジアから世界中へ発信される作品は、いまや世界中のどんな視聴者にも選ばれる最高のエンターテイメントとして定番になりました。世界中で共感を呼び、熱狂的なファンを築くワールドクラスの作品がアジアに集まっています」とし、『SHOGUN 将軍』の世界的な成功による日本ドラマのさらなる強化に言及した。

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