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禅が教える「ずっと不安が減らない人」の根本原因 転がせば転がすほど、悩みは重く大きくなる

東洋経済オンライン / 2024年12月16日 10時0分

不安をむやみに大きくしてしまう人と、小さくとどめておける人の違いはどこにあるのでしょうか(写真:mits/PIXTA)

あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。

新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを解きます。

本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

不安が大きくなる人と、ならない人

不安があるのは、生きている証拠。不安が全くない人がいるとしたら、死んでしまった人だけでしょう。

【写真でわかる】不安を「大きくしない」人が実践している簡単なコツ

また不安は、避けるべき危険を察知するためのサインの役割も果たします。それは人間が生まれ持った習性であり、私たちが生きるために必要なものでもあるのです。

つまり、不安や悩みのない人は、いないのです。しかしながら、その不安をむやみに大きくしてしまう人と、小さくとどめておける人がいるのも、また確かなことです。

2人の違いは、どこにあるのでしょうか。

それは、不安を転がす人と、不安を転がさない人の違いです。

不安というものは、雪だるまに似ています。

はじめは、手のひらにのる程度の小さな雪玉かもしれません。しかし、それを雪の上で転がしているとみるみる膨らんで、両手でも抱えられないほどの大きさになる。そこがもし坂道だったら、人間ひとりの力では、もう止めようがありません。

不安も同じです。

例えば、社長との面談を前に「どんな話をすればいいのかな。社長に失礼のないようにしないと」。あるいは、メールを送信した後に「相手が気分を害するようなことがなければいいけど」。

このぐらいの不安なら、誰にだって心あたりがあるでしょう。また、前もっていくつか話題を用意しておく、相手と直接話をして様子を見るなどの対策を事前に講じれば、それで済む話です。

ところが、考えすぎてしまう人たちは「ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう」と際限なく考え続けている。これが「不安を転がしている」状態です。

人生は思いのほか「なんとかなる」

あれこれ考えなければいいと頭ではわかっているのに、考えないではいられない。一度坂道を転がりはじめた雪だるまを止められない。こうなると、身も心も重たくなる一方です。

1つや2つの不安ならまだ辛抱できるかもしれませんが、心配性の人というのは一事が万事です。

ついには、日常の些細なことにまで不安を感じて、やらなければならない仕事が手につかなかったり、人の目ばかりを気にしたり。余計な不安を抱えず、ただ前を向いて生きる。それだけのことができなくなってしまうのです。

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