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「住宅ローン金利」どこが安い?銀行別ランキング 金利が上昇しても、"変動一択"と言えるワケ

東洋経済オンライン / 2024年12月16日 7時30分

それではどこまで政策金利は上がるのだろうか。政府日銀・要人の発言を踏まえると、大幅に引き上げるシナリオは見えてこない。

例えば日銀の田村直樹審議委員からは、「少なくとも(政策金利を)1%程度まで引き上げておく」(9月12日)という発言があったが、“タカ派”委員でさえこの程度の水準である。

また石破茂首相も「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」(10月2日)と慎重な姿勢。ちなみに国際通貨基金(IMF)は「2027年に1.5%」(10月24日)との予測を発表している。

筆者としては政策金利が最終的に1〜1.5%程度になり、その後は景気後退とともに下がるだろうと予想している。将来日本は毎年70万人も人口が減少するため、需要不足に陥りやすいと見立てており、日銀が景気引き締めを目的とした高金利政策を取ることはそうそう考えられない。

固定の1220万円に対し、変動はほとんどそれ以下

円安回避のための通貨防衛利上げも考えられるが、そのリスクが最も高かった時期は、アメリカが大幅利上げしていた2023〜2024年の前半だった。その状況で行った日銀の利上げ幅はわずか0.35%であり、円も1ドル=150円に振れた程度だ。これから日米金利差は縮小していく見通しであり、通貨防衛の利上げを迫られるリスクは、少なくとも以前より低減するだろう。

以上を踏まえると、変動が有利な理由がわかると思うが、逆にどんな状況ならば固定が有利なのか。例として、元本3500万円、35年返済の前提で返済金利総額のシミュレーションを行い、固定金利と変動金利を比較してみた(図4)。

まずは固定金利を現状と同じ1.8%とした場合、金利総額は1220万円で一定となる。

続いて変動金利は景気サイクルに連動して上下する前提を置く。過去30年間に日本で利上げは2回あったが、上昇期間は2年程度で、次の上昇まで約10年空いていた。

これらを踏まえ変動金利の上昇シナリオを30パターン用意。10年周期で高金利時代と低金利時代が存在するとし、高金利の期間(2〜8年の5パターン)と金利の水準(1.0〜3.5%の6パターン)の組み合わせで、計30パターン(金利総額489万〜1868万円)とした。低金利時代の水準は0.75%に置いている。

各パターンの返済金利総額を計算したところ、ほとんどの場合、変動のほうが固定の1220万円よりも安くなった。図4の青字の部分だ。変動金利が3%前後まで上昇、その期間が10年周期の半分以上を占める“そうとう強気な金利上昇シナリオ”を描かない限り、変動は固定より有利なのである。

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