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「住宅ローン金利」どこが安い?銀行別ランキング 金利が上昇しても、"変動一択"と言えるワケ

東洋経済オンライン / 2024年12月16日 7時30分

おまけに、貸す側の銀行間の競争も今、一向に緩和しそうな気配がない。住宅ローンユーザーの獲得競争が激化しているため、政策金利が引き上げられたとしても貸出金利には反映しづらいのである。実際、日銀が利上げしたにもかかわらず、新規向け貸出金利を据え置いている銀行もあるぐらいだ。

表面金利で最安は三菱東京UFJ、実質金利は・・・

いったいどの銀行が変動金利で得かと問われれば、図5上にあるとおり、表面金利では、1位の三菱UFJ銀行(年0.345%)が国内最安だ。2位はみずほ銀行の0.375%。なお頭金を2割入れる場合、auじぶん銀行が0.344%と1位になる。

他方、団信も考慮すると、図5下のようにネット銀行がお得だ。住宅ローンに無料付帯している団信の価値を金利換算して、適用金利から差し引けば、実質的な金利コストを計算できる。

実質金利が安い順では、1位はauじぶん銀行(0.169%)。団信が非常に充実しているため、実質金利は0.1%台。住宅ローンで攻勢をかける同行はこのほど、三菱UFJフィナンシャル・グループとの資本関係解消を発表した。

2位のPayPay銀行も、金利キャンペーン中のため、非常にお得といえる。結局、住宅ローンは適用金利の安さのみならず、団信の充実度合いも比較してほしい。個人的には実質金利の安さで選ぶほうが理にかなっていると思う。

なお、ネット銀行は審査が厳しい側面もある。収入が不安定とみられることの多い自営業や法人役員は、ネット銀行以外の金融機関を選ぶことを補足しておく。

ほかにも注意すべき点がある。繰り上げ返済をしないと破綻と言われることもあるが、必ずしも正しいかどうかは疑問である。

なぜ日本の住宅ローンは貸倒率0.1%と優秀なのか

前述したとおり、金利が上がっても低金利の状態なら、借り続けることこそ最も経済合理性が高い選択肢となる。そのうえで浮いた資金を投資に回せばよい。長期の運用利回りは統計的に2〜3%以上あることが多く、変動金利よりも高い点に注目したい。

それを表す示唆がある。トマ・ピケティ氏の名著『21世紀の資本』では「r(投資収益)>g(労働収益)」がうたわれている。

要するに、労働で得た対価は投資に回すことこそが、家計改善の肝ということ。繰り上げ返済してよい条件とは、資産運用の利回り以上に変動金利が高いケースのみである。投資の機会を奪いかねない住宅ローンの繰り上げ返済は、普通の勤め人が資産形成を断つ行為に近いと言えよう。

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