LINEヤフー「フルリモート廃止」は当然といえる訳 GAFAは週3回の出社で世界的に趨勢が変化
東洋経済オンライン / 2024年12月17日 17時25分
メタのザッカーバーグCEOはさらに踏み込んで「週の大半をオフィス勤務するように」としていますし、イーロン・マスク率いるXとテスラは「最低週40時間のオフィス勤務を要求」していてこれに従わない場合は辞職を求めています。
そもそも雇用契約としてこのような制度変更はどうなのかという疑問がわく方もいらっしゃるかもしれませんが、GAFAの場合は出社とリモートワークに関する細かいルールが設定されていて、制度変更含めて基本的には合法的(アメリカなので裁判での係争は可能ですが)に制度が設計変更されています。
フルリモート廃止が世界の趨勢になぜなった?
GAFAにしてもLINEヤフーにしても、根本的にはビジネスをやっている組織なので、経営の前提が変化すれば経営者が制度を変えようとするのは当然のことではあります。
イーロン・マスク氏の40時間出社強制はオーナーとしての強権発動の側面が強いと思われます。裁判で係争になるケースも増えますが、経営スタイルとしてそれらの摩擦を乗り越えてでもオーナーにとって理想的な会社組織に持っていくという哲学に基づいた行動です。
前の経営者との約束を反故にしてでも前に進む、それに伴う訴訟や賠償のコストは織り込むというスタイルであり、これはこれでひとつの極端なやり方だと考えるべきでしょう。
さて、世界の趨勢をこのように整理したうえで、頭に浮かぶいくつかの疑問を整理しておきましょう。
・なぜフルリモート廃止が経営の前提として世の中の趨勢になってきたのか?
・LINEヤフーの場合、今後週1回よりも状況がエスカレートする可能性はあるのか?
・制度変更を嫌って優秀な社員が去っていくリスクをどう考えるべきか?
それぞれについて考えてみましょう。
まず一番目のフルリモート廃止の動きから解説します。前提としてリモートワークに関する運用面の弊害については、2024年時点でほぼほぼ解決されつつあります。
2010年代の会社シーンと比較すれば、リモート会議は日常的に行われるようになりましたし、リモート出勤者の退勤管理も普通に行われています。仕事はチャットを活用して行われるので呼びかけに応じない社員がいればすぐに判明します。
導入黎明期の課題としては管理できるのかということと、社員を評価できるのかの2点が経営面の課題でした。SNSでテーマパークで遊びながら仕事をする社会人が話題になったことがありますが、アトラクションにライドするぐらいの短時間のサボりが技術的な限界で、仕事中に買い物に出かけたり映画を見に行ったりは難しい。まあ飲酒勤務は酔っぱらわない限りはばれないと思いますが(運輸業などを除く)、管理という面ではリモートワーク制度は整備が進みました。
リモートでの管理と評価の問題はクリアしたが…
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