次期トランプ政権の関税政策をあまり気にするな 「20個のやるべきこと」での関税の取り扱いは?
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 8時30分
思えばこの連載も長くなったもので、ドナルド・トランプ氏が1度目の当選を果たした8年前にも、筆者はせっせと「トランプ・ウォッチング」の記事を書いていた。
2016年12月9日配信の「トランプ氏のツイッターの読み方を教えよう」という記事では、「トランプ氏の情報発信は、『つかみ』が上手いが『ふかし』も入る」などと、懐かしき「トランプ=プロレス論」を展開している。当時のトランプさんのフォロワー数はまだ1700万人だったというから隔世の感がある。今の「X」では9624万人ですからな。しかもイーロン・マスク氏が味方になっている。
トランプ次期政権では本当にインフレが再燃するのか
そして再び、「トランプ占い」の需要が高まる日がやって来た。筆者もこのところ毎日のようにいろんな場所に呼ばれては、「来年はどうなるのか。トランプ政権のリスクをどう見るべきか?」といったお尋ねを受けている。その中でもFAQの最たるものはこの疑問である。
「次期政権が関税を引き上げると、来年のアメリカ経済はインフレが再燃するはずだ。そのことをトランプさんはわかっているのだろうか?」
だいたい、こんな風にお答えしている。
よろしいですか、トランプ第1期政権は2018年から関税を引き上げています。そのときはインフレにはなりませんでした。なんとなればドル高が進んだから、関税による輸入価格の上昇効果はほとんど帳消しになったのです。
理屈からいえば、関税を上げれば輸入が減り、貿易収支が改善するので通貨が強くなるのは自然な流れである。ただしこのときは、前年の2017年末に「トランプ減税」が成立したことが大きかった。景気が過熱気味になってアメリカの長期金利が上昇したし、連銀が2018年からQT(量的引き締め)に踏み切ったこともドル高の一因となっている。
2025年も似たようなことになるのかもしれない。アメリカ経済は2023年、2024年と2年連続で3%近い成長が続き、2025年には減速すると見られていたが、トランプさんの登場でまたも上振れしかねない。12月FOMCは予想どおりの利下げとなったが、来年の利下げは「年2回程度」とタカ派的な見通しとなり、為替市場はまたまたドル高傾向となっている。
次期トランプ政権が追加関税に踏み切ったらどうなる?
そして多くの人が誤解していると思しき点は、第1次トランプ政権の後を継いだバイデン政権は関税率をまったく引き下げていないのだ。そこで何が起きたかと言えば、2021年以降は輸入インフレが起きて、連邦政府の関税収入が増加したのである。
この記事に関連するニュース
-
有馬記念が引退レースとなる馬の“注目すべきポイント”。ドウデュース以外に複数頭が該当
日刊SPA! / 2024年12月19日 8時25分
-
「有馬で何もそこまでせんでも…」とX衝撃 語り継がれる怪物のラストラン 史上最大9馬身差勝利
THE ANSWER / 2024年12月18日 12時3分
-
2025年はトランプ構文がわかれば意外に怖くない 3つの視点で来年の世界経済を展望してみよう
東洋経済オンライン / 2024年12月7日 8時30分
-
トランプが息巻く「追加関税」世界経済への影響度 BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏に聞く
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時0分
-
「またトラ」リスクは「トランプ四季報」で準備せよ 政治日程を考えれば「次のリスク」が見えてくる
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 8時30分
ランキング
-
1自動車メーカー「勝ち組と負け組」の明暗分かれた? 知っておくべき「決算書」の見方は? 半期決算で見る「日産とスズキ」の違いとは
くるまのニュース / 2024年12月20日 5時50分
-
2NY円、156円台前半
時事通信 / 2024年12月21日 7時45分
-
3受験生のスランプ解消「犬の散歩」が効く納得理由 悩みを抱える受験生に対して親ができること
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 7時50分
-
4シフトが埋まらない…神奈川の路線バス、深刻な運転士不足 一部は減便も
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年12月20日 23時30分
-
5申請しないと「1円ももらえない」年金の"正体" 要件さえ満たせば年間で約40万円もアップ!
東洋経済オンライン / 2024年12月20日 8時35分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください