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令和ロマンくるま語る、賞レースと寄席の決定的差 「ネタのクオリティ」よりお客さんとのマッチ度

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 9時30分

令和ロマン・髙比良くるまさん(写真:北原千恵美)

M-1グランプリ2023でトップバッターで優勝。その後「テレビには出ない」等の発言が取り沙汰され、王者でありながらM-1グランプリ2024に挑戦するなど、独自の道を突き進んできた令和ロマン・髙比良くるまさん。そんな彼が、M-1や漫才について縦横無尽に考察を巡らせた初著書『漫才過剰考察』から、くるまさんの見えている景色を読み解きます。

どこでも誰にでもウケる漫才をするには?

寄席。正直芸人になる前はあんまり馴染みがなかった言葉だった。東京でいえば新宿のルミネtheよしもと、大阪でいえばNGK(なんばグランド花月)、他にも地方の大ホールとかでやっているデカお笑いライブ。ファミリーとか老カップルとか、お笑い初めての人に向けて開催しているセミナー。初心者講習。

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「お笑い詳しくない人」に向けてやるもの、としてわりと賞レース用の競技漫才と切り離されてるイメージはあって、なんなら「競技漫才上がった人がやるもん」みたいな風潮はある。実際その要素はあるんだけども。その「寄席」に出演するにはテレビで売れるか賞レースでいいところまで行く必要があるので、競技漫才がある程度できるようになったところで寄席の漫才にも挑戦する、といった状態にはなっているから。

でもよく考えたらおかしいんだよな。本来「お笑い好きを笑わせる複雑な漫才」より先に「初見を笑わせるシンプルな漫才」を磨くべきな気がするくないか? まずストレート投げれるようになってから変化球覚えないと、肘とか壊しちゃうでしょ、いや、だから壊してるのか実際。

もともとは「浅草キッド」的なさ、まずはドサ回りというか、営業で笑ってもらってテレビへ、というものがM-1ブームで「まずM-1で一つでも上へ」という風潮になって、各事務所の養成所もそっちを優先するようになっているんだ。

一方寄席は寄席で、師匠や、ほぼ師匠のような芸歴の先輩方が「背中で語るスタイル」でお送りしているので、そのテクニックの継承みたいなことはされづらく、寄席の漫才とM-1の漫才が離れていってしまってんのか。まずいじゃないか。

ちょっと、いったん僕の解説で理解してもらっていいかな? 東京生まれで漫才ネイティブでも何でもない僕なんだけど、3年目くらいから寄席に駆り出されて、そこでスベりにスベりまくって、それでも何とかするために誰よりも先輩方のネタを袖から勉強したマンなので、ジェネリック・ジェネリック・ジェネリック師匠だと思ってもらって話を聞いてほしい。

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