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帯状疱疹に血尿、がん闘病中に次々と訪れる試練 日常生活は崩壊寸前、膀胱の全摘出手術を決断

東洋経済オンライン / 2024年12月28日 9時0分

猛暑は過ぎ去ったが、QOLは確実に低下していた(筆者撮影)

2024年春、ジャーナリストの山田稔(64)さんに膀胱がんが発覚、肺にも転移しており、ステージ4でした。医師が語る病状説明を淡々と受け入れ、がんとの共存の道を選択した山田さんは、抗がん剤治療を経て10月に膀胱の全摘出手術を受けました。本連載(今回は第7回)では、帯状疱疹の発症、頻繁な血尿に悩まされる日々について記します。

緊急外来で診察を受ける

暑さが続く9月の3連休のことだった。がん治療の途中に思わぬ病状に見舞われた。胸にあった赤い発疹が色濃くなり、右胸から右腕の裏側、そして背中にかけ赤い発疹が現れたのだ。投与中だった免疫チェックポイント阻害薬「バベンチオ」の副作用かもしれず、連休中のため緊急外来に連絡して診察を受けることにした。

【写真を見る】毎日服用しているさまざまな薬

幸い熱は出ていないし、咳などの症状もないので、コロナの検査は受けずに済んだ。待合室で待機中にも救急車で患者が次々と運ばれてくる。ここは特定機能病院で地域医療の中核病院となっているだけに365日、24時間フル稼働である。

現場の医師や看護師らの負担は半端ではない。「(4月から始まった)働き方改革は名ばかり」といった指摘が全国各地の医療関係者から出ているが、本当にまだまだ改善の余地は大きいと実感する。

1時間近く待ってようやく診察の順番がやってきた。緊急外来のため、いつもの主治医ではなく、30代半ばの医師に診てもらった。症状を伝えると、「シャツを脱いで患部を見せていただけますか」と言うので、その通りにする。「後ろもいいですか」。振り返り、背中を見せる。ひと通り見終わった医師は「帯状疱疹ですね。抗ウイルス剤を処方しますのでそれを服用してください」と診察結果を告げた。

「先生、完治までにどれだけかかりますか」と尋ねると「かさぶたが取れるのは3週間から1カ月ですが、その後の神経痛の症状がいつまで続くかは個人差があるので何とも言えませんね」。

がん治療に加えて帯状疱疹。まったく踏んだり蹴ったりである。

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで発症する皮膚の病気。50歳代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症するといわれている。免疫力の低下でウイルスが活性化し、カラダの左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い発疹が現れ、やがて水ぶくれが多数集まって帯状に展開していく。

その後、水ぶくれは弾けてかさぶたとなり、自然にはがれていく。一連の症状が治まるまでの期間は、個人差があるが約1カ月程度といったところだ。

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