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「ゴミ屋敷になった実家に帰省」片付け決意の顛末 「生前整理」をするか否か、それぞれの選択を追った

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 11時0分

これだけ大量のモノがあれば、高齢の男性1人だけではどうすることもできなかったことは容易に想像がつく。何かきっかけがないことには手をつけられないほどの物量だが、思い切って片付けるに至った理由は何だったのだろう。

娘に説得される形で片付けることになったという男性が話す。

「私の健康状態が気になったし、歳も歳ですしね。もうこの際、やっておかないと。長年生まれ育った家なので古いものがそれなりにあるのはわかっているもんですから。子どもの世代になったときに片付けるのも大変だということで、片付けることにしました」

はじめは乗り気じゃなかった男性も、見て見ぬフリをできる物量ではないことに気づいてはいたのだ。これだけ大きな屋敷では借り手もつかない。子どもに相続するとなったら、売りに出すしかないだろう。しかし、この残置物の量では娘に迷惑をかけてしまう。

「私の親父も整理したかったんじゃないか」

男性は運び出されていくモノたちを見ながらそう言った。

80代の要介護者が住む、ゴミであふれかえった1軒家

親がさらに高齢になってくると直面する問題が「介護」である。金銭面の不安もあるが、親が施設に入るとなれば実家をどうにかしないといけない。

関西地方の郊外に建つ1軒家。ここには80代になる女性が1人で暮らしていたが、介護が必要な身体になり、部屋を片付けられなくなってしまった。もともとモノが多い家だった。本人や親族が時間をかけて不要品を選別していったが、家の中はモノだらけだ。

1階にある和室とキッチンスペースを見ると、ここに住んでいた女性の性格がよくわかる。とにかくこまごまとした雑貨が多く、それらが無造作に詰め込まれたカゴがいくつもある。空いているスペースがあるとそこにモノを置いてしまい、その上にまたモノを積み上げていってしまう。

2階に2つある和室は足の踏み場がなかった。介護が必要な身体になってから、階段を上がることがめっきりなくなったのだろう。布団、クッション、服、モノを詰め込んだダンボールに袋などが床いっぱいに並べられていて、物置部屋になってしまっていた。

母親の介護で疲弊していた娘

イーブイに片付けの依頼をしたのは、この家に住んでいる80代の女性本人ではなく、女性の娘の友人である明子さん(仮名・50代女性)だった。明子さんが片付けの経緯を話す。

「(80代の女性は)病気で今入院されていて、もう1人では生活できないということでそのまま介護施設に入らないといけなくなったようです。この家は引き払うことになるんですが、私の友人である娘さんも“何をどうしていいのかわからない”と困っていたので、私からイーブイさんに連絡しました」

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