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「ゴミ屋敷になった実家に帰省」片付け決意の顛末 「生前整理」をするか否か、それぞれの選択を追った

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 11時0分

娘から相談されたわけではなく、明子さんが自分で行動を起こしたのだという。それは、自身も過去に親の介護で苦労をした経験があったからだ。明子さんが続ける。

「私自身、過去に母親が要介護になり、住んでいた賃貸の家を引き払った経験があるんです。実家の問題に介護が絡んでくると、役所の手続き、お金のこと、家の片付けなど、やらなきゃいけないことや考えなきゃいけないことが山盛りで、頭も心も体も本当に疲れてしまうんです。それがどれだけ大変なことかわかっていたので、困っている人がいたら力になりたいと思っていました」

娘はかなり精神的に疲弊している様子だった。まだ50代なので健康体だが、気持ちの問題で体が思うように動かない。誰かに相談する気力も失っていたが、友人が困っている自分を見つけてくれたので助かった。

介護をする親族が同居している場合、家の中にあふれているゴミは介護をしている親族のモノであることが多い。というのも、親族は要介護者の世話でいっぱいになってしまうからだ。介護ベッドの周りは片付いている一方で自分のことはおろそかになってしまう。

二見氏の祖母が介護施設に入所する際、母親が言っていたことが今でも忘れられないという。

「私、何のために貯金してたんだろう。自分の老後のために貯金してたのに、お金ばっか飛んでいって」

決して薄情なわけではなく、親への愛情は間違いなくあった。ただ、それを上回るしんどさが介護にはあるのだと、二見氏も再認識したという。

「生前整理」をする際に気をつけたいこと

そして、最後は親が亡くなったときに実家をどうするか。持ち家でそのうち実家に戻る気があるのなら、最低限の片付けをしてそのままにしておくこともできる。しかし、賃貸だった場合は一気に片付けてしまうほかない。

だが、いざその場面になると、その大変さに残された子どもは立ち尽くしてしまう。葬儀やら相続やら、いろいろとやるべきことがある中、実家まで処理するのは肉体的にも精神的にも大きな負担となる。そこで、イーブイが重要性を訴えているのが「生前整理」だ。

子どもが2人いるならば、それぞれのアプローチで親を説得してあげるといい。だが、ここで気を付けたいのは2人揃って説得をしないことだ。

「2対1の構図になってしまうと、それだけで親にプレッシャーがかかってしまいます。ましてや、違う意見を同時に言われたら責められているような気持ちになってしまうでしょう。“それぞれ”別の角度から説得を試みることが重要です」(二見氏)

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