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アカデミー選出なるか?20代日本人監督の素顔 金森慧さんが監督「Origami」受賞に集まる期待

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 12時0分

僕は2020年に入学したので、最初の2年間は家にこもるしかなかった。それで家にこもっている間に単位を取り終わったような感じなので、僕の代は本当に学校に来る理由がないんですよ。

だから学校のPCルームも静かで。ここで作業するほうが集中できるなと思って学校に通うようになりました。

そういう意味ではなかなか友だちは増えなかったですけど、本当にCGにやる気がある子たちだけが学校に集まっているという感じだったので。まわりが頑張っているから自分も頑張ろうと思わせてくれる環境でした。

やはりCGに関しても技術的なことは、いくらでもYouTubeとかで勉強できる時代になってきているので。でもやっぱり大学に行って、まわりに刺激になる仲間がいたというのはよかったかなと思います。

学生アカデミー賞に応募した経緯

――学校の卒業制作が、学生アカデミー賞で受賞するというのはどういう経緯で?

卒業制作で『Origami』をつくっているときから、今まで誰もやったことがないことをやっているという実感が強くありました。

つくっている時から(世界最大規模のCGの国際会議である)SIGGRAPHに応募しようと思っていました。そしてそこで入選し、上映してもらえることになりました。それからSIGGRAPHで入選した作品が、学生アカデミー賞で受賞することが多いということに気づいて、学生アカデミー賞にも応募することに決めました。

これはフランスの学生と話したことなんですが、フランスでは学校の卒業制作でつくった作品を映画祭などに出品してくれる団体があるらしくて。今年の金賞をとったのはフランスの学生だったんですけど、そういうシステムのようなものが機能しているんだなと思いました。

――学生アカデミー賞の審査を担当するのは実際のアカデミー会員だそうですね。

実際のアカデミー賞と同じようにアカデミー会員が審査をしています。だから審査してる間も、向こうのアカデミー会員の方から見たよ、という連絡が来たりして。学生のうちからアカデミー会員とそんなに近くなる経験なんてないので。面白いなと思いました。

最終ノミネート作品発表までの気持ち

――これから1月17日にアカデミー賞の最終ノミネート作品が発表されるわけですが、現在の気持ちはどうですか?

実際にアカデミー賞にノミネートされるまでの道のりはまだまだ先が長いですが。

それでも過去の学生アカデミー賞の受賞者にはピート・ドクターさん(『モンスターズ・インク』、『インサイド・ヘッド』)とか、ロバート・ゼメキスさん(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』)とか、スパイク・リーさん(『マルコムX』『ブラック・クランズマン』)といった人もいる。

そういう場に立てるだけでもうれしいなと思っています。

壬生 智裕:映画ライター

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