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SKY-HIが語る「今も日本でCDが売れる」マズい理由 「ストリーミングは儲からないという」大誤解

東洋経済オンライン / 2025年1月1日 8時0分

(写真:maru/PIXTA)

さまざまな業界のパイオニアやエキスパートの仕事や人生の哲学について深掘りするインタビュー番組「TK Deep Inside」。第1回は、音楽プロダクションBMSGの創業者であり、CEOを務めるSKY-HI氏に、日本の音楽業界が抱える構造的な問題や将来のポテンシャル、自身の経営哲学などについて聞いた。

※記事の内容は東洋経済の「TK Deep Inside」から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。

【図表】日本の音楽市場規模は縮み続けている…

30年前にできた仕組みに縛られている

倉沢美左(以下、倉沢):SKY-HIさんは、従前から日本の音楽業界の問題点というか、CDに過度に依存しているビジネスモデルに問題があるということをおっしゃってきましたが、BMSGを立ち上げて4年経って状況はどう変わりましたか。

SKY-HI:徐々に変わっていると思います。音楽業界は20〜30年間、構造上どうしようもないシステムが続いてしまっていて、自分がプレイヤーをやっている時もビジネス的に不合理や不条理がすごく多かった。でも、そういう話をしたときに「こういうものだからしょうがない」という話を業界の人たちからは聞いていた。

今、日本にあるCDプレイヤーって5万〜10万台くらいじゃないかと思うんですよね。国内で今一番需要がありそうなVaundyとか米津玄師とかの枚数を見ているとそれくらいの気がします。レコードとかはコレクティブとして集める人はいますが、すでに終わっているメディアなんです。

それでも30年間、レコード会社はそこから予算を作るということを変えられてない。これは業界全体が大企業病というか、そういう仕組みが出来上がってしまっているから変えようがないと思っているからで、そこから予算を出してミュージックビデオや宣伝を作りましょう、となるとそれは年々(予算が)減っていきますよ。どんなにいい曲を作っても、どんなにヒットしても予算は減っていく。

レコード会社的にも難しい判断ではありますが、このシステムから根本的に脱却しない限り、例えば、ファンの方の応援したいという純粋な気持ちを「枚数を積む」という言い方で経済を回してしまうと皺寄せがくる。

それが割と早くきているのがソロアーティスト。国内のメジャーレーベルにおけるプロモーションのインフラは、ワールドクラスの代理店と言ってもいいくらいのパワーがあるけれど、ソロアーティストの場合は契約しても80万円の広告費でどうしましょう、という話になってきちゃうので、十分にプロモーションしてもらうのは難しい。

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