米国オーディオメーカーが狙う日本市場の"鉱脈" 配信時代、ストリーミング対応で市場拡大
東洋経済オンライン / 2025年1月2日 7時50分
“オーディオ市場”といえば、かつては、お気に入りのアーティストのレコードやCDを購入して、少しでも良い音で楽しむための高品質の製品が評価されていた。
【写真で見る】Sonosの最高レベニュー責任者(CRO)であるドゥーニャ・ラローサ氏
もちろんこれは現在でも変わらない。音楽を聴くためにオーディオは存在する。しかし四半世紀をかけて音楽市場は大きく変化してきた。音楽市場の変化は当然ながらそれを聞くためのオーディオ製品のトレンドも変えていく。
ストリーミングサービスが音楽を楽しむ重要なキーファクターとなり、それに伴ってスマートスピーカーやマルチルームオーディオ、ワイヤレスヘッドフォンやイヤホンといったデバイスが家庭や個人のリスニング体験を彩るようになったことは、その象徴だ。
さらには映像作品もストリーミングで楽しまれるようになり、リビングルームでのエンターテインメントは新たなステージを迎えている。
音楽配信、映像配信時代のオーディオ
そんなオーディオ市場の変革期に大きくビジネスを伸ばしたのがアメリカSonosだった。
彼らは四半世紀近く前から「家中どこでも好きな音楽を楽しめる」ワイヤレスオーディオ体験を追求し続けていた。時代を先取りしすぎたコンセプトは、当初失敗に終わるかと思われた。早すぎた発想に、消費者は追従できなかったのだ。
しかし、音楽産業が物理メディアの販売から音楽ファイルのダウンロード、そしてストリーミングによる配信ビジネスへと移行することで、ネットワークを通じて音楽を楽しむ彼らのコンセプトが陽の目を見始める。
物理メディアの衰退が日本よりも先行した欧米で存在感を伸ばし、据え置き型スピーカーからホームシアター、ポータブルデバイス、そしてヘッドフォンまで手がけるオーディオブランドとしてその存在感を示している。
物理メディア中心の音楽産業では”亜流”でしかなかったSonosだが、配信時代へと世の中が動き始めるとだんだんと”ど真ん中”のブランドになっていったのだ。
しかし、それはグローバルマーケットでの話。
世界第2位の音楽市場である日本でのSonosの展開は2018年と浅く、ブランド認知は高いとは言えない。日本には伝統的なオーディオブランドも多く、コンシューマ市場で新たなブランドを確立するハードルは高い。また音楽市場の変化が、欧米よりも遅かったことで、Sonosの後を追いかけてきたブランドと日本市場では対決しなければならない。
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