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米国オーディオメーカーが狙う日本市場の"鉱脈" 配信時代、ストリーミング対応で市場拡大

東洋経済オンライン / 2025年1月2日 7時50分

しかし現在のSonosにとって、日本市場は単なる海外進出の一環だけではなく、自社の製品や戦略を見直し、新たな価値を創出する実験場としての意味を帯びているようだ。

Sonosの最高レベニュー責任者(CRO)であるドゥーニャ・ラローサ氏に話を聞いた。

日本の消費者が持つ繊細な感覚

CROとは売上の成長戦略を統括し、ビジョンに基づいた事業計画を具体化するポジションだ。製品開発、マーケティング、販売チャネルなど、顧客に商品を届けるプロセスに横断的に関与しながら顧客の体験を高め、収益の拡大を目指す。

グローバルな視点での事業開発と、地域ごとに異なる市場への理解を掛け合わせるもので、オランダ出身のラローサ氏はソニーで10年にわたりホームエンタテインメントおよびポータブルオーディオ分野でグローバルの事業戦略にSVP(シニア・バイスプレジデント)として関わり、ダイソンでは北米でのプレミアムチャネル開発を手がけた。

「私の役割は消費者が何を求め、何を好んでいるのかを見極め、優れた音響体験への願いに応えられるよう、ビジネス戦略など経営の中心に近いところから事業構造を構築し、顧客体験の向上と成長を促すことにあります(ラローサ氏)」

そんな彼女は、グローバル戦略におけるSonosの戦略を見据えながら、日本市場を分析することで事業戦略全体の見直しにもつながると考えている。

「日本の消費者はとても繊細で、品質に対する鋭い感覚を備えています。音質へのこだわりはもとより、コンパクトさや細かなデザインディテールへの要求が厳しく、さらに現物を手に取った際の質感や操作感、それに音質を確かめて納得しなければ選んでもらえません(ラローサ氏)」

ライバルが増える中での日本参入

前述したように、Sonosがグローバルのオーディオブランドとして成長した背景には、ネットワークを中心とした新しいオーディオ製品の形をいち早く取り入れ、まだ産業の構造が変化する前から取り組んでいたことで得た先行者利益という側面も大きい。

言い換えるならば、そうした音楽産業のパラダイムシフトが発生した後の2018年に参入した日本市場では、既にライバルが存在している中での事業の立ち上げとなった。さらにSonosの成功を見てキャッチアップしてくる企業もあり、ライバルが増える中で、日本でのブランド確立に取り組んでいる。

ラローサ氏は市場ごとの特徴に合わせた価値提供のシナリオを描くことが重要だと話す。

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