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米国オーディオメーカーが狙う日本市場の"鉱脈" 配信時代、ストリーミング対応で市場拡大

東洋経済オンライン / 2025年1月2日 7時50分

例えば、日本ではヨドバシカメラ、コストコなどの大型店舗で製品体験を容易に行えるタッチポイントを設けながら、Amazonなど消費者が容易にアクセスできる流通チャネルでの購入チャンネルを広げている。

新しいテクノロジー製品の導入では、通信販売に偏ったマーケティングを行うことも多いが、日本では特に店頭での体験を重視しているという。

また新製品導入においても、日本人のライフスタイルに沿ったシナリオも提案している。

2025年早々に投入予定の「Sonos Arc Ultra」は、薄型テレビに似合うサウンドバーであるが、一方で音楽再生の能力に優れた音楽ストリーミングのためのサウンドバーという特質もある。

ホームシアター向け製品は映像作品のサラウンドサウンドを再生することを重視しているものが多い。もちろんSonos製品もその文脈には沿っているが、高度なオーディオ品質を求める層のニーズに応えることに力点を置いている点は他のメーカーとの明確な違いだ。

さらに2024年に初参入した「Sonos Ace」ヘッドフォンでは、サウンドバーからヘッドフォンへワンタップで音声切替が可能な「ホームシアター・スワップ」機能を提案し、集合住宅での深夜鑑賞など日本的な住環境で、周囲への騒音を緩和するなどの提案をした。

”体験の質”こそがSonosの強み

もっともネットワークに対応するスピーカーが当たり前といった時代になってきたこともあり、Sonosが提供してきた機能、そのものは必ずしも優位性とはならなくなってきている。

BluetoothはもちろんWi-Fiまで統合したアンプ内蔵のスピーカーは、あらゆるメーカーから登場するようになり、かつてないほど選択肢が増えている。ハイエンドからミドルレンジまで無数のブランドが存在し、音楽配信によるコンテンツ無限供給と相まってユーザー体験は複雑化し、それを楽しむ方法論も多様性が生まれている。

音質や価格差、機能比較だけでは、どの製品を選ぶべきかの決定打にならない状況だ。

こうした中でのSonosの強みをラローサ氏は「”音を通じた体験価値”にある」と表現する。

「Sonosは”家中どこでも音楽を楽しめる”よう、機能やラインナップの拡充を進め、体験の質を高めてきた。そのノウハウこそが依然として強みです。スマートスピーカー、ホームシアター、ポータブルスピーカー、ヘッドフォンといった多様な製品群を、一貫したユーザー体験を提供する専用アプリが支えています。アナログオーディオを接続できるPortといった製品も含め、旧来のオーディオ文化との橋渡しにも配慮が行き届いています」

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