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「記憶力は才能」と思っている人に欠けた視点 東大卒の記憶力日本チャンピオンが教える実態

東洋経済オンライン / 2025年1月5日 8時30分

(写真:Ushico/PIXTA)

勉強に苦戦しているとき、数字やアルファベットに拒否反応が出るとき、名前や顔を思い出せないときに、「頭が悪いから」「もう年だから」と思ったことはありませんか? 記憶力は、年齢や才能に関係なく誰でも高められるスキルです。「記憶力が良かったらなぁ」と諦める前に、これから紹介する方法を一度試してみてください。

記憶に関する最新の研究論文や勉強・仕事・日常生活に効果的な記憶法などを100Tipsに厳選して紹介した、東大卒記憶力日本チャンピオン・青木健さんの著書『東大式 記憶力超大全』より一部抜粋・再構成してお届けします。

記憶力と才能はほとんど関係ない?

「記憶力って才能とはほとんど関係ないんだよ」と言われても、「それは記憶力で成功を収めた人のポジショントークだ」「努力で記憶力が良くなるんだったら、誰も苦労しないよ!」と思う人も多いのではないでしょうか? なかなか実感が湧きにくいと思うので、科学的な側面からアプローチしていきます。

【画像でわかる】遺伝や環境は記憶力にどれほど関係している?

記憶力がどのくらい「才能」によるものなのかを調べた研究があります。 慶應義塾大学の安藤寿康氏は、双子による遺伝と教育環境の相関性に関する研究を長年されています。安藤氏の著書『日本人の9割が知らない遺伝の真実』(SBクリエイティブ)では、記憶力に限らず、身長や性格、スポーツ、IQ、科目別の学業成績、反社会性など多くの項目での研究成果を述べています。

こちらのグラフを見てください。身長や指紋などは遺伝しやすいというのは、多くの方がイメージする通り、9割以上が遺伝の要素が絡んでいるようです。また、歌や音感、体育をイメージしたらわかりやすいと思いますが、身長や指紋ほどではないにしても、音楽や運動能力は才能によるものが大きいようです。

それでは記憶力はどうでしょうか? 記憶力の遺伝要素は6割程度。割合で見ると、外国語や勤勉性などと近いですね。アメリカやオーストラリアなどに行けば、ネイティブは当然英語を話せます。日本人で日本に住んでいれば、ほとんどの人が日本語を問題なく使いこなせるでしょう。語学は普段過ごしている環境や努力要素が大きいように思えます。

勤勉性も、日常の中で「僕は才能がないから真面目ではないんだ」という話はあまり聞いたことがありません。家庭や学校、交友関係などの生活環境によるものが大きいと考えられます。

つまり、記憶力もこれらと同程度しか遺伝要素はないのです。遺伝要素や才能要素が全く関係ないとはいいませんが、このように考えると少しはやってみようと思えませんか?

忘れることは悪いことではない

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