「地元1位→桜蔭」浪人で変化した彼女の価値観 勉強できることに価値があると思っていたが…
東洋経済オンライン / 2025年1月5日 7時30分
必死に受験勉強をする機会を終えて、改めて「自分のやりたいことのために頑張ろう」と思ったこともスイッチが入るきっかけとなったゆゆきちさん。大学を休学することを決め、河合塾に籍を置き、夏から受験勉強をスタートします。
河合塾の先生や、鉄緑会でお世話になった先生に相談に乗ってもらいながら受験勉強を続けたゆゆきちさんは、10月には志望する大学も決定。通っていた東京医科歯科大学の医学部医学科に設定しました。
東京医科歯科大学の医学部医学科は、医学部医学科の中でも極めて難しく、東大理3に次ぐ難関とも言われます。しかし、ゆゆきちさんは根を詰めて勉強をしたわけではなかったそうです。
「自分の中で明確に医師を目指すとは決めましたが、そこまで追い込んで勉強をしたわけではありません。1日4時間くらいを欠かさず継続的にやるようにはしつつ、今までずっと勉強ばかりの人生で、家族と過ごせなかったので、家族や友達との時間を大事にしていました」
勉強ができることに価値を見いだすのではなく、自分がやりたいことを大事にする、そうした姿勢は受験に向かう自身のプレッシャーも軽減してくれたようです。
秋の模試では東京大学の理科3類でもA判定をとれたものの、自分の学校に愛着があったことと、一か八かの賭けが怖かったために志望大学と学部を変える決断はしませんでした。
共通テスト前に受験した防衛医科大学校に合格し、医学部への道を確定させたゆゆきちさんは、共通テストでも前年を上回る804/900点を記録し、無事東京医科歯科大学の医学部医学科に合格することができました。
「受験で失敗した経験があったので、最後まで安心はできませんでしたが、去年のように過剰に緊張することはありませんでした。仮面浪人のときに、周囲の大学の友達と話して、勉強だけではない、さまざまな経験をしている子たちがいることがわかったので、長い人生の中で、受験の失敗はそんなに大きくないと思えたことがよかったのだと思います」
浪人は通過点に過ぎない
現在、東京科学大学医学部医学科2年生のゆゆきちさんは、医師を目指して勉強に励んでいます。彼女に浪人して良かったことを聞くと、「自分のやりたいことを立ち止まって考え直せたこと」、頑張れた理由については、「周囲に支えられていることを実感できたから」と答えてくれました。
「現役のときの受験は勉強することに精一杯で、ちゃんと自分の将来を考える時間がありませんでした。だからこそ、浪人の期間でいろんな人に会って話を聞けたことで、受験でダメでも人生が終わるわけではないと思えたのがよかったですね。
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