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インボイス事業者じゃないと損する職種はあるか いまさら聞けないインボイス制度の超基本(下)

東洋経済オンライン / 2025年1月6日 18時0分

郷:そんなに大変なんですね。

小山:はい。とくにデジタル化されているわけではないので、登録番号がかすれで読めなかったりしたら、いちいち確認しないといけないんですよ。本当に制度として破綻しています。

郷:現場の怒りが爆発してる(笑)。

小山:失礼(笑)。それで「簡易課税」と「2割特例」は、「預かった消費税」さえ把握できていれば、その数字に基づいて仕入税を一定税率で計算するので、作業的には大変ではありません。「簡易課税」は売上5000万円までの事業者が選択できるもので、業種によって「みなし仕入率」というものが決まっています。

たとえば小売業のみなし仕入率は80%。これはどういうことかというと、「あなたの商売では売上に対して80%が仕入れや経費とみなします。だから預かった消費税の20%だけ納付してください」という意味です。

みなし仕入率は業種によって異なる

郷:20%はどこからきたんですか?

小山:「100%-みなし仕入率80%」です。

郷:ああ、なるほど。

小山:「2割特例」は先ほど説明したインボイス制度導入にともなう期間限定(※)の措置で、業種を問わず、「預かった消費税の20%」を一律で納付することになります。

※2026年9月30日まで

郷:ということは……。

小山:簡易課税か2割特例かで選ぶ場合、卸売業なら簡易課税、それ以外の業種は2割特例がおすすめです。郷さんのブックライティング業はサービス業ですから、圧倒的に2割特例が有利ですよね。簡易課税だとみなし仕入率50%なので、預かった消費税の50%を納付しないといけませんが、2割特例なら20%でいいわけですから。

本則課税と簡易課税はどちらが得?

郷:なるほど! ちなみに本則課税と簡易課税のどちらが得という計算はできるんですか?

小山:実際に計算してみないとわからないんです。ただ、一般論で言えるのは、儲かっているなら簡易課税で、設備投資などの大きな出費があったり、儲けが少なかったりするときなどは本則課税でしょうね。

郷:あ、そうか。みなし仕入率よりも仕入れや経費でお金がかかっているなら、納付する消費税は減りますもんね。

小山:そういうことです。ただ、先ほど言ったように本則課税を選ぶなら税理士が必要になりますから、そのための追加費用も考慮しないといけません。

郷:了解しました! どう転んでも私が本則課税を選ぶことはないですけど(笑)。

小山 晃弘:税理士法人小山・ミカタパートナーズ代表

郷 和貴:ブックライター

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