プロ野球選手「億単位の年俸」でも貯金たまらぬ訳 金融リテラシーが低いアスリートを支える仕組み
東洋経済オンライン / 2025年1月9日 10時0分
神奈川大学、日立製作所を経て25歳でロッテに入りクローザーとして活躍した荻野忠寛氏は「高卒の選手は、どこへ行くのもタクシーを使っていましたが、僕は、急に生活が派手になるのが嫌なので、極力電車を使うようにしていました」と語ったが、どこかのタイミングで「大人」が堅実な人生設計を教えないといけないのだ。
プロ入りすると「資産運用しませんか」と近づいてくる
取材に同席した田中大貴氏が語る。
「プロ入りすると、どこのだれかわからない人が近づいてきて、資産運用しませんか、と持ちかけてくることがある。父親母親の知り合いで、みたいな感じで。でもふたを開けてみたら、お金なくなってしまいました、という話も多いんですよ」
もともと、Japan Asset Managementは主として富裕層を顧客としてきた。堀江代表は「弊社は一言で言えば、資産運用のコンサルティング会社です。証券、保険、不動産などの販売を通じてお客様のお金の悩みを解決していくのがビジネスの根幹です。弊社の収入は、平たく言うと、各商品を販売した際に得られる手数料収入です。創業からずっと経営者や医師、地主さんなどの富裕層がメインのお客様だったのですが、少しずつスポーツ選手の顧客が増えてきました」と話す。
スポーツ選手の顧客に特徴はあるのだろうか?
「皆さんの想像以上に、お金に対するリテラシーが低い方が多いと思います。先ほどの選手もそうですが、多額の年俸を貰っているのに、貯金すら全然ない方が多くて、もっと早くにお目にかかっていたらお役に立てたんじゃないかとよく思いますね」
Jリーグのクラブで金融教育を実施
野球以外のスポーツ選手の顧客も多い?
「弊社にはサッカー部出身の社員もいまして、その横のつながりからJリーグクラブにアプローチして、いろんなチームで金融教育をやりました。そのご縁で、サッカー選手が多いです。名前は出せないのですが、2019年にクラブでお話ししたのがきっかけで、当時のオリンピック代表世代のトップ選手が僕らの思いを共感してくれて、積み立てNISAを始めました。
当時は、選手の年収が高くなかったのでご提案できる商品も限られていたんですが、その後の活躍で年収が上がって、当時積み立てたNISA商品が大きな利益を出すようになりました。その選手は、年俸が増えるたびに相談にきてくださり、今は億の単位のお付き合いになっています」
「資産運用は、1年や半年の勝負でやってしまうとリスクがあります。金融は統計学なので、長期間でやると、確率論的にかなり高い確率で勝てると、理論的に言えるんですね。
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