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プロ野球選手「億単位の年俸」でも貯金たまらぬ訳 金融リテラシーが低いアスリートを支える仕組み

東洋経済オンライン / 2025年1月9日 10時0分

それと、サッカー選手は海外移籍する方が多いんです。日本の金融機関を使っていると海外に移住したら口座を閉じないといけないところが、少なくありません。そこで、資産管理会社を作って運用することをおすすめしています。例えば、代表をお父様とお母様にしておくことで、選手本人が海外に行ったとしても、運用を継続する体制を作ることができます」

アスリートの「お金の話」は表に出にくい

Japan Asset Managementは、単に儲かるから「アスリートを顧客リストに加えた」のではない。堀江代表は、アイスホッケープロリーグの横浜GRITSの共同出資者の1人でもあるのだ。

「大学時代のアイスホッケー部の先輩に『関東にアイスホッケーチームを作らないか』と声をかけられました。2019年にチームを創設して、翌年6月、アイスホッケーアジアリーグに加盟しました。彼らの資産運用も担当しています。

といっても選手の年俸は平均すれば200万~300万円くらいです。でも顧客の預入金額の下限はありませんから喜んでお受けしていますし、アドバイスもしています。私はアスリートに対しては、リスペクトの気持ちがありますので」

この会社では、野球、サッカー、アイスホッケーなどの体育会出身の社員がたくさん在籍している。彼らはアスリート特有のライフスタイルや、悩み、問題もよくわかっていて、選手に寄り添うことができる。

ただ、アスリートの「お金の話」では、実名はなかなか挙げにくい。今は、そうした報道が犯罪に結びつく可能性がある。それにイメージ的にも「財テク」と「アスリート」は、水と油のような印象がある。球団やクラブもこの手の話は表に出したくない。

一方で、若くしてビッグマネーを得たアスリートたちの人生は、リスクがいっぱいだ。これまで多くの選手が、豪遊をするなどして短期間で資産を失ってきた。選手の寿命は短いから、気が付けば戦力外になって社会に放り出される。

ある独立リーグ球団の社長は「NPB出身の元選手に監督になってもらうことにして『じゃ、何月何日に来てください』と言うんですが、彼らの多くは自分で航空券やホテルを予約したことがない。『どうすればいいんですか?』と聞かれるけど、これからのことを考えれば、助けるのは彼らのためにならないから『自分でやってください』と突き放すんだ」と語った。

Japan Asset Managementで資産形成をするのは、世間知らずの選手たちに「社会とは、マネーとはこうなっている」と学びの機会を与えることでもあるのだ。

アメリカでのアスリートの資産運用は?

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