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プロ野球選手「億単位の年俸」でも貯金たまらぬ訳 金融リテラシーが低いアスリートを支える仕組み

東洋経済オンライン / 2025年1月9日 10時0分

日本では、アスリートの資産運用は、まだあまり浸透していない印象だが、アメリカではそうではない。あるとき、田中大貴氏は東京で、日本人メジャーリーガーと食事をしたが、このときには初対面の女性が同席していたという。

「奥さんではないし、マネージャーさんでもないみたい。でも、信頼されているようで。あとで聞いたら、彼の個人的なバンカーだっていうんですよ。資産運用をすべて任されているんだそうです。メジャーリーガーは扱うお金の桁が違います。個々の選手でも、そういう信頼できる人を傍らに置いておくんだなあ、と感心しました」

堀江代表が、アスリートにこだわって資産運用をすることの意義、目的は何なのだろう?

「アスリートの顧客から、どれだけ収益が上がるということよりも、社会貢献という気持ちが大きいですね。スポーツ選手のセカンドキャリアに貢献したい。

それから、リクルーティングです。弊社は新卒採用がメインで、社員のほとんどが体育会出身ですので、アスリートの資産運用で、これだけ実績をあげている、という話はすごく響くんですね。

それに、既存の富裕層の顧客の方々も、そういう話に興味を持ってくださいます。時にはスポンサー探しをしている選手と弊社の顧客の方をおつなぎすることもあります。相乗効果が大きいんですね」

アスリートのリタイア後を支える仕組みづくり

オフになると、有名な元アスリートが尾羽打ち枯らして困窮したり、健康を損ねて逼塞するような話をしばしば耳にする。

若くして才能に恵まれ、自らの未来を信じて努力を重ねてきたアスリートの末路が、こんなふうでは、幻滅するし、若者もスポーツの道に進もうとは思わないだろう。

アスリートが自らの才能と努力に見合った果実を、リタイアしてからも受け取ることができる「仕組みづくり」に今後も期待したい。

広尾 晃:ライター

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