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精神疲労で固まりがちな身体をケアする方法 胸椎や胸骨を柔らかく保つと自律神経が整う

東洋経済オンライン / 2025年1月10日 7時10分

実際、日本代表の試合を終えた選手の身体をチェックすると、これらの部位は例外なく固まっています(胸周り全体の柔軟性や呼吸のしやすさを指標とすることで変化がわかります)。そのまま放置するとさまざまな問題に移行していきます。

へそ上の固さはお腹の固さが現れる場所としても重点ターゲットですが、自律神経の観点においてもとても重要です。へそ上には、自律神経節という神経細胞の集合体があるからです。

上から順に、腹腔神経節(肝臓、すい臓、胃、十二指腸などの交感神経)、上腸間膜(じょうちょうかんまく)神経節(=小腸、右の大腸、生殖器系などの交感神経)、下腸間膜(かちょうかんまく)神経節(左の大腸から泌尿器系の交感神経)と呼ばれています。どれも「興奮モード」である交感神経に関連しています。

交感神経が過剰に働き続けて自律神経の疲労が蓄積すると、神経節への血流が低下して固まります。

固まりやすい胸椎の状態を整える

この固まりやすい胸椎を整えるリカバリートレーニング「ネコモド」を紹介しましょう。

自律神経の影響で固まっていることが多い胸椎の状態を整えます。胸椎は背中の上半分を占める位置にあるので、捻った状態で内側から広げる(背中・胸を膨らませる)ことでより効率的にストレッチがかかるほか、肋間筋を内側から広げる作用も得られます。

うつぶせに近い状態をとることでバランスが安定。さらに片脚を曲げているので上半身の捻りに対して下半身も安定し、力みを抜きやすいやり方になっています。胸椎が固まっている人は多く、トレーニング開始初期はきつく感じるかもしれませんが、継続的に行いましょう。

ここをチェック!

▶うまく脱力できると、背骨が沈む感覚が起こる

▶左右差があるときは、やりにくいほうを多めに行い、差を解消する

胸骨をふだんから柔らかく保つ

今回はもうひとつ、見逃されがちな胸骨を整える「胸骨握り解放」もご紹介します。

胸骨とは胸の前側中央にある縦長の平らな骨のこと。ここに指で左右から圧を加え、解放することで固さを改善していきます。

自律神経や精神面に問題を抱えると胸骨が固まりやすく、呼吸が浅くなることにも関係しています。胸骨をふだんから柔らかく保つことで、このような影響を受けにくくする働きがあります。

ここをチェック!

▶握って圧迫したときに圧迫感などがある場合はいったん中止、ほかのリカバリートレーニングをひと通り終えてから再度行う

▶解放したときに胸が広がる感覚を追いかける

大きなプレッシャーがあり精神的疲労を感じやすい場面で、これらのリカバリートレーニングをぜひ取り入れてみてください。

中野 崇:スポーツトレーナー、理学療法士、JARTA international 代表取締役

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