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セブン「高級路線で客離れ」に見る大苦戦の真因 消費者視点が薄れ、「上から目線」な企業に…?

東洋経済オンライン / 2025年1月10日 8時40分

私のような人が多いのだろう、この実験の結果、割引対象商品の購入率は5%アップしたという。

この結果から、ファミリーマートではこの「涙目シール」が全国に展開されることが決まっている。

ここでは、「エコ」「食品ロス」といった「意識高い」言葉を明示するのではなく、「かわいいキャラクターが泣いている」と感情に働きかけることで、「エモ消費」にも近い行動を顧客に起こさせることに成功している。

セブン-イレブンの「エコだ値」と比べて、どこか親しみやすく、顧客の「買おうかな」という気分を刺激する。感情の押し付けにならず、顧客の側から自発的に商品購入を促している。

この「消費者の目線」「下から目線」が、セブン-イレブンには足りていないのかもしれない。

これまでのセブンの騒動も「消費者の目線」欠如が生み出してきた

思えば、セブン-イレブンの不調が取り上げられるとき、常に問題になってきたのは、この「消費者目線の欠如」だった。

昨年、各種媒体で取り上げられまくった「上げ底(疑惑)弁当」もそうだろう(私も取り上げた)。

ここにセブン-イレブン側の「値上げするまい」という努力が確かにあったのだが、「それがどう消費者から見られるのか」についての意識が足りなかったのかもしれない。結果、こうした容器は炎上にも近い形で大きな不評を呼んだことは記憶に新しい。

さらに、年明けもこうしたセブン-イレブンのニュースは事欠かない。大人気テレビ番組『芸能人格付けチェック』とのコラボ商品に関するニュースだ。

現在、セブン-イレブンでは、同番組で作られたダウンタウン・浜田雅功さんの料理とのコラボ商品として、「海老チリ&チャーハン」が売られている。

これが「通常商品に『コラボ商品』というシールを貼っただけでは?」と噂されたのだ。

ビジネスジャーナルは「セブン・浜田チャーハン、『格付け』放送後に通常商品にラベル貼っただけ?」と題し、本件を取り上げているが、セブン-イレブン側としては番組放送前から用意して陳列していたコラボ商品に、放送終了タイミングに合わせてラベルを貼ったという。

もちろん、消費者をだまそうという意識はない。ただ、お店の人がそこに並べている商品に「コラボ商品」というシールを貼っているのを見たら、消費者が不審感を抱くのは確かだろう。

もう一度、セブン-イレブンに多くの人を喜ばせてほしい

上げ底(疑惑)弁当にしても、コラボ商品にしても、セブン-イレブン側としては消費者をだまそう、といった考えはない(と信じたい)。

むしろ、「今まで通りの値段を維持しよう」「コラボ商品を出してお客さんに喜んでもらおう」といった消費者への思いがあるのは間違いない(と信じたい)。

ところが、それが「消費者目線でどう見えるか」への配慮が少し足りないことによって、大きく店の評判を落としてしまっているのだ。

現状では、数字として明確に表れているわけではないが、私は「エコだ値」「うれしい値!」に関しても、同様の雰囲気を感じてしまう。

セブン-イレブンの強みはその商品力にある。私自身も、同社のお弁当の大ファンである。だからこそ、セブン-イレブンが現在の苦しい状況を脱し、再び多くの人を喜ばせてほしいと思っている。

そのためにも「消費者目線の政策」をどう実装していくのかを考えることが必要だと思うのだ。

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谷頭 和希:都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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