パナソニック「AI関連売上高を10年で3倍」の覚悟 このままだと「化石になってしまう」と楠見社長
東洋経済オンライン / 2025年1月10日 8時0分
「みなさんが知っているパナソニックを根本から覆す革新的な取り組み、それが『パナソニック・ゴー』なのです」――。
【写真を見る】今後の行方を占う重要なプロジェクトの開発を担うのはYoky(ヨーキー)こと松岡陽子氏。グーグルやアップルの要職を経験した人物だ
アメリカ・ラスベガスで開催中のテクノロジー見本市「CES 2025」で基調講演に登壇したパナソニックホールディングスの楠見雄規社長は、詰めかけた観客に向けて声を張り上げた。
パナソニックは2035年までにグループ売上高に占めるAI(人工知能)関連事業の比率を現在の1割弱から約3割にまで高める目標をぶち上げた。自動車部品事業の切り離しを加味したグループ売上高は7兆円前後。売上高が今後横ばいだと仮定しても、AI関連だけで約2兆円になる壮大な計画だ。
「Panasonic GO(パナソニック・ゴー)」という計画の名称は、計画達成時期が創業者の松下幸之助が示した「250年計画」の5節に当たることなどから「ゴー」と名づけられた。幸之助は1932年に、25年からなる1節を10回繰り返して「理想の社会」の建設を目指すことを掲げた。
家庭向けサービス「Umi」の正体
パナソニック・ゴー計画の一環として、AIを使った生活コンシェルジュサービス「Umi(ウミ)」を2025年中にもアメリカで提供する。日本国内でのサービス展開は未定だが「いずれ検討したい」と説明している。
これまでパナソニックはブルーヨンダーを中核にAI戦略を展開してきた。2021年までに総額71億ドル(当時のレートで約7800億円)を投じて完全子会社化したブルーヨンダーは、法人向けのサプライチェーンマネジメント(SCM)システムで、生産計画の立案から配送網の管理まで供給網を一元的に管理できるのが強みだ。
一方、今回発表したウミは、消費者が最終顧客となるサービスだ。家庭用の製品が祖業のパナソニックにとって、BtoCの領域でAIを活用したビジネスを展開する意味は大きい。まさに今後の行方を占う重要なプロジェクトだといえる。
共働きの両親が子供のために食事を用意したい、介護が必要な両親のためにデイサービスの予約をしたいといったとき、現状では個別のアプリケーションを操作し、それぞれのサービスの予約が必要となる。
こうした家事・生活関係のサービスの利用をもっと簡便にしようというのがウミの基本構想だ。そのために、アメリカの新興企業アンソロピックと提携し、生成AIを組み込む。
この記事に関連するニュース
-
CES開幕、ホンダは次世代車で攻勢…独自OSとAIの融合で自動運転の高度化目指す
読売新聞 / 2025年1月9日 17時40分
-
パナソニックHD、生成AIの米社アンソロピックと戦略提携…オープンAIのライバル企業
読売新聞 / 2025年1月8日 10時45分
-
パナソニック 2035年までにAI関連売上を30%に拡大へ 米AIベンチャーとも提携
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月8日 9時26分
-
パナソニックHD、AI売上比率を10年後30%に拡大へ
ロイター / 2025年1月8日 7時38分
-
オープンAI競合と提携=生成AI、製品に展開―パナソニック
時事通信 / 2025年1月8日 5時7分
ランキング
-
1太陽光パネル大量廃棄2030年問題に挑む 強力接着剤を分離、再利用可能にする装置開発
産経ニュース / 2025年1月10日 11時0分
-
2「GINZA SIX」が新規13店舗をオープン、どう変わる?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月10日 7時10分
-
32025年、世界を揺るがすトランプ関税。日本の投資家が備えるべきリスクシナリオとは…第一生命経済研究所・永濱利廣氏に聞く
Finasee / 2025年1月10日 12時0分
-
4「上司の指示を聞かない」「失敗を隠す」など、ほとんどの企業に存在する「やらかし社員」...経営層の6割以上が採用段階で、「やらかし社員」を見極めることが難しいと吐露
@Press / 2025年1月10日 11時0分
-
5AI売上高「30%」に引き上げへ、「取り組まなければパナソニックが化石になる」…楠見雄規社長に危機感
読売新聞 / 2025年1月10日 13時42分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください