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「運をコントロールする」セレンディピティの法則 「幸運は降ってくる」と思う人が兆しを逃す理由

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 9時55分

セレンディピティが起こるプロセスとは、どのようなものでしょうか(写真:tadamichi/PIXTA)

前回の記事でも指摘したように、『運のいい人が幸運をつかむ前にやっていること: セレンディピティの科学』によれば、偶然のチャンスは決して特別な人だけに与えられたものではない。

きっかけは誰にでも訪れている

セレンディピティが起こるきっかけは、たくさんある。

それどころか、それは誰の身にも同じように降りかかる性質を持っているというのである。

しかし、セレンディピティが起きるきっかけとなるトリガーに気づかなかったり、それがなにとどう結びつくのかがわからなければ、セレンディピティの機会は失われてしまう。

 確かに、「起こり得たはずなのに、結果的にはそうならなかった」というような偶然ならいくらでもあるだろう。

たとえば「好みの相手が見つかる」という“点”が存在したとしても、そうした点と点を結びつけることができなければ、そこからの発展はない。そして、セレンディピティは未遂に終わってしまうかもしれない。

セレンディピティが外的要因ではなく、自らの手で使いこなすことのできるツールであることを伝えるために、著者は“セレンディピティの中核的な3つの特徴”を紹介している。

そのひとつひとつを確認してみよう。

1 ある人に何か予想外、あるいはふつうではないことが起こる。それは物理現象のこともあれば、会話のなかでたまたま出てきた話題のこともある。

これがセレンディピティ・トリガーだ。

2 その人がトリガーを、それまでかかわりのなかったことと結びつける。点と点を結びつけ、一見偶然のような出来事や出会いに、何か価値があるかもしれないと気づく。

こうして、それまで無関係と思われていた事実や出来事を結びつけることを「バイソシエーション」という。

3 重要なポイントとして、点と点を結びつけて実現した価値(洞察、イノベーション、新しい手法、問題への新たな解決策)はもともと期待されていたものでも、誰かが探していたものでもない(少なくとも探していた形ではない)。

それは、完全に予期せぬものだということだ。

――16~17ページより

セレンディピティにとって、サプライズや偶然が生じたというのも重要な要素なのだが、それは、最初のステップに過ぎない。

点と点をつなげるために必要なこととは

もうひとつ必要となってくるのは、“偶然の発見を理解し、使いこなす能力”だ。 

それは複数の出来事、観察したこと、断片的情報の間に、(意外な)価値のあるつながりを発見し、クリエイティブに融合させていく能力を指す。

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